南フランスの夏やすみ。〈その4 エリゼ宮御用達オリーブオイル生産者に会いに〉


カドネのオリーブ農家 Moulin de Laval à Cadenet

ムーラン・ド・ラヴァルの若旦那、レオさん。

 
 おいしいオリーブオイルを作る農家を見学できるというので、エクスから北へ向かった。車で30分ほど走ると小高い丘の上にカドネ村が見えてくる。村では人々がペタンクに興じる笑い声に迎えられる。リュベロン山塊を中心に広がるここリュベロン自然公園は、小さな美しい村が点在することでも有名だ。

 村の中心からはちょっと離れた場所でオリーブ農家を営むクーパ夫妻の経歴は、ちょっと変わっている。若い頃からカリフォルニアで観光業に就いていたが、1998年フランスに帰国しワイン農家を買った。欧州がぶどうの減反政策を進めるなかぶどうの木を抜き、アグランド、ピショリーヌ、サロナンク、カイヨン、ブテイヤンのオリーブ5品種、4千本のオリーブを植えた。

長男レオさん(冒頭写真)に畑に連れて行ってもらうと、そこは標高300メートルほどの山の斜面。リュベロンの山々やカドネ村の眺めは素晴らしいが、転職も転作もさぞ大変だっただろうと山道を登りながら想像する。

リュベロンの山をのぞむオリーブ畑。 ©MPipart-ville de Montfort l’Amaury

 クーパ家のオイルは、農業省主催のコンクールで2010年から4回受賞している。今年も金ふたつを含む5つのメダルを獲得した。手で収穫したオリーヴをすぐに圧搾し、刈草やトマトの葉っぱなどの青い香りが豊かなオイル「アルダンス」は、村の元星付きシェフに勧められ、大統領府のギヨーム・ゴメズ料理長に送ったところ気に入られ、2017年からエリゼ宮にも卸すように。「20年間の仕事が認められて嬉しかった」とクーパ(父)さん。すべて有機農法だ。 

 オリーブを27℃で低温圧搾する工房も見学できる。10月半ばに収穫した実から作るフルーティーで青い香りのものから、遅めに収穫するオリーブのマイルドなもの、発酵させたオリーブで作った、黒オリーブの味と香りを感じさせるものまで。オリーブオイルを使う料理教室を開くキッチンもある。

父親のロランさん(左)と跡継ぎのレオさん。

 フランス国内で消費されるオリーブオイルは9割が輸入品という状況だが、フランスの小規模農家が作る品質の高いオイルを知って欲しいと、レオさんは昨年日本に赴いた。「日本のオリーブオイルコンクール”Olive Japan”でも受賞したんだよ」と、届いたばかりの賞状を見せてくれた。今後はオリーブのコスメティックも作りたい。プロヴァンスの太陽の下、パイオニア精神にあふれた後継者の目は、希望に輝いていた。(六)

INFORMATIONS

Bastide du Laval

199 chemin de la Royère 84160 Cadenet
Tél : 04.9008.9580
www.bastidedulaval.com
contact@bastidedulaval.com 月〜土 10h-13h/15h-19h
オーディオガイド付見学は無料。詳細は公式サイトで。


 

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