Chorba Algérienne
今はひと昔、アルジェリアに何度か通訳の仕事で出かけたのだが、お昼には決まったように、庶民的なレストランでショルバと呼ばれるスープをとっていた。今でも、子羊肉のクスクスを作った翌日に、まだ野菜が残っているブイヨンをミキサーにかけて、このショルバを作っている。いつもクスクスが残っているわけではないので、ショルバの初めからのレシピを教えます。
子羊肉を、あとでとり出しやすいように大きめに切り分ける。玉ネギとコリアンダーの葉はみじん切り、ニンジンとジャガイモとセロリは小さめに切り分ける。大鍋にオリーブ油をたっぷりとり、まず子羊肉を色が変わるまで中火で炒めたら、玉ネギを加えてしばらく炒め、ニンジンとジャガイモ、セロリ、缶詰のトマト、シナモン、パプリカ、コリアンダーの葉半量を入れ、水を3リットルほど加える。鶏のブイヨンキューブを入れ、少々控えめに塩、コショウ。沸騰してきたらふたをし、1時間半ほど煮込んでいく。圧力鍋を使えば、調理時間が半分以下になる。
鍋を火から下ろし、柔らかくなった肉をとり出す。残った煮汁を野菜ごとハンドミキサーにかけて、なめらかなスープにする。少し濃すぎるようだったら熱湯を適量加える。ここで濃縮トマトを混ぜ入れ、エジプト豆を加える。中火に戻し沸騰してきたら、ひと口大に切り分けた肉を入れる。
ショルバには「cheveux d’ange」という極細で短いパスタが入っていることが多い。入れたい人はこの段階で加え、10分ほど煮て、それがすっかり柔らかくなったら(アルデンテではスープの食感と不釣り合い)でき上がり。残りのコリアンダーの葉を散らし、冷めないように鍋ごと食卓に。
アルジェリアでは、スープ皿より深めのお碗でサービスし、レモンを添える。スープにひたせるように小さく切り分けたバゲットパンも添えれば、体ほかほか、おなかいっぱいのスープです。(真)
6人分:子羊の肩肉などを400g、玉ネギ2個、ニンジン2本、ジャガイモ1個、セロリ1茎、缶詰のカットトマト400g、濃縮トマト大さじ1杯、缶詰のエジプト豆適量、ブイヨンキューブ1個、シナモンとパプリカそれぞれ小さじ半杯、コリアンダー1束、レモン、cheveux d’ange 1カップ、オリーブ油、塩、コショウ。
Velouté de moules
ムール貝がおいしい季節。高価なクラムのかわりにムール貝を使ったチャウダーを作ってみよう。ムール貝のひげをとり、洗って水気を切る。底広鍋に白ワインと水をそれぞれ200cc入れ、沸騰したらムール貝を加える。ふたをして強火。1分たったら全体をかき混ぜ、またふたをしてもう1分。火から下ろして2分置いておく。ムール貝を取り出し、むき身にする。煮汁はできるだけ細かな目のこし器でこす。
ココット鍋を洗い、煮汁を戻し、液状生クリームを加える。さいの目に切ったジャガイモ、小口切りにした長ネギ、押しつぶしたニンニク、ブーケ・ガルニも入れ、弱火でことこと30分。カレー粉をほんの少々加えて香りをつけるとうまい。ブーケ・ガルニを取り出し、ムール貝のむき身の4分の3を加え、ミキサーでなめらかなクリーム状にする。残りのムール貝を加え、熱々になったらでき上がりだ。やはり安価なコック貝を使ってもおいしくできる。
4人分:ムール貝1キロ、ジャガイモ中2個、長ネギの白いところ1本、ブーケ・ガルニ、ニンニク1片、白ワイン200cc、水200cc、液状生クリーム300cc
Beaujolais nouveau
11月17日はボージョレ・ヌーヴォー解禁日だったけれど、パリではカフェから「Le Beaujolais Nouveau est arrivé!」という貼り紙が姿を消している。その人気薄のボージョレ・ヌーヴォーをNicolasで1本買ってきた。「今年は収穫前が好天だったからおいしいです」ということだったが、栓を抜いてグラスに注ぐと、思っていたよりも赤い果実の匂いはなく、しっかりとした朱色をしている。まろやかさもあり、タンニンの渋さも適度にあり、なかなかと感心していたが、最後にヌーヴォー特有の酸味が残ってしまうのが残念。でも安いワインだから気楽に飲みましょう。6.2€。(真)