Lapin compoté aux poivrons
前号のウサギのレバーのテリーヌ、おいしくできましたか。肉の方は赤ピーマン入りの南仏風。南仏風は、だいぶ前に書いたことがあるけれど、今回はロビュション氏(日本ではロブションだけれどロビュションと発音したい)のレシピです。
ウサギは1キロ半くらいのものを、肉屋や鳥肉屋で買ってさばいてもらうのだが、大きな包丁でバサッバサッと切り分けるような肉屋は避けたい。骨が砕け、尖ったまま肉に入り込んで危険そのもの。小さめの包丁を、背骨の関節に入れて慎重に切り分ける肉屋を選びたい。
赤ピーマン、ロビュション氏は皮むき器で皮をむくようにと書いているが、ぼくは、オーブンの上火でこんがり焦がし、10分ほど新聞紙にくるんでからむいた。種の部分をとってから幅1.5センチほどに切り分ける。小さな新玉ネギは、茎を切り落として玉のところだけを使う、ベーコンは小さな棒状lardonに切り分ける。
ココット鍋にオリーブ油をとり、塩、コショウした肉を入れ、ひっくり返しながら中火で炒め、焼き色がついたところで新玉ネギとベーコンを加え、ふたをして弱火で5分火を通す。さらに白ワインを加え、3分ほどしたら、赤ピーマン、皮つきのままのニンニク、ローズマリー、水1カップを入れる。塩、コショウし、ふたをし、180度で熱くなっているオーブンに入れる。オーブンがなければ、そのまま弱火で煮込んでいけばいいのだが、赤ピーマンが底に焦げつかないように気をつける必要がある。
1時間半たったらオーブンから出し、そのまま1時間ほど置いておき、食べる直前になったら温め直す。仕上げにきざんだパセリをたっぷり散らしてから食卓に。ウサギの柔らかな味わいに赤ピーマンの甘味が絡んで、うまい! 付け合わせは、「aux oeufs (卵入り)」のタリアテッレを添えましょう。ワインは、料理に使った白ワインかフルーティーな赤がいい。(真)
4人分 : 1.5キロほどのウサギ、大きな赤ピーマン3、4個、新玉ネギの玉12個、ベーコン100g、ニンニク4片、ローズマリー1枝、オリーブ油大さじ3杯、白ワイン150cc、塩、コショウ、好みでトウガラシ少々
Lapin
「肉が白いので、ウサギは鶏肉と結びつけられるが、同じように調理してはいけない。皮がついていない分、その肉は少しも脂っぽくないので、ふたをして、ゆっくりやさしく調理しなければならない。その肉は、牛肉や子羊肉のような味わいがないので、エシャロット、タイム、ローズマリー、パセリ、マスタード、白ワインなどで香りづけしなければならない」というのは、ロビュション氏のアドバイスだ。サクランボや干しプルーンなどの甘酸っぱい風味との組み合わせもおすすめ。
Tout Robuchon
今回のレシピでお世話になったロビュションのレシピ本。タイトルどおり、調理法、道具、料理用語に始まり、ソース、スープ、前菜、サラダ、卵料理、魚介料理、臓物料理、肉料理…デザート、とレシピが続く。子牛肉のブランケットのアクのとり方、鶏のローストの皮をカリッと焼くコツなども、この一冊で学んだ。『ジョエル・ロブションのすべて』(武田ランダムハウスジャパン)という翻訳もあり、中古で入手できる。