Gratin d’andouillette
豚の胃や腸を詰めたアンドゥイエットは、ちょっと臭いけれど、それにさえ慣れてしまえば、じつに味わい深い食材だ。だいぶ前に、フライパンで焼いて、マスタードをたっぷり加えたクリームソースを添える一品を書いたことがあるけれど、今回はジャガイモと一緒にグラタンにしてみた。アンドゥイエットの名産地のひとつ、トロワの名物料理です。
まず、シャルロット種のように煮くずれしないジャガイモを、皮付きのまま丸ごとゆでることにする。
その間に、玉ネギとエシャロットは、どちらも薄切りにする。アンドゥイエットは皮付きのまま、1.5センチくらいの厚さに輪切りにする。
大きめのフライパンにバターをたっぷりとって、中火にかける。バターが溶けて泡立ってきたら、玉ネギとエシャロットを加える。玉ネギが透明になってきたら、アンドゥイエットの輪切りを、できるだけ重ならないように加える。塩、コショウする必要はない。途中で一回ひっくり返しながら、合わせて7分ほど炒めたら、白ワインを加える。白ワインが半分くらいになるまで煮詰めたら、生クリームを混ぜ入れ、アンドゥイエットがこわれないように静かに混ぜ合わせる。
このへんでオーブンの目盛りをグリル焼きのモードに合わせて点火しておく。
ゆで上がったジャガイモの皮をむき、1センチの厚さに輪切りにする。オーブン皿に、まずジャガイモ半量を敷く。その上に玉ネギ+エシャロット+アンドゥイエットのミックスを均等に広がるように加え、残りのジャガイモで覆う。さらにそれを覆うようにパン粉をたっぷりと振りかけ、バターの塊をちょんちょんと置く。
これを熱くなっているオーブンの上段に入れ、パン粉にきれいな焼き色が付いたらでき上がりだ。付け合わせは、さっぱりとグリーンサラダにする。ワインはシャブリの白が合うとされているけれど、コット・デュ・ローヌのこくのある赤もいいだろう。(真)
4人分 : アンドゥイエット3本、ジャガイモ800g、玉ネギ大1個、エシャロット2個、ポマード状の生クリーム大さじ三杯、白ワイン1カップ、パン粉適量
Andouillette
豚の胃や腸をきれいに洗って脂を除いてから、パセリやペッパーなどを混ぜて腸に詰め、クール・ブイヨンで8時間くらい煮込んだのが、アンドゥイエット・ド・トロワ。この腸詰めのなか
でも、5A(Association Amicale des Amateurs d’Andouillette Authentique本物アンドゥイエット愛好家友好協会)公認のものは、臓物好きにはたまらないおいしさ。
1本240グラム前後で、1人分には大きそうだが、きれいにおなかに収まってしまう。リヨンやカンブレ産のアンドゥイエットは子牛の胃腸が原料になっている。
Andouille
アンドゥイエットは必ず火を通してから味わうが、アンドゥイユは、そのままソーシソンのように薄く切って味わう、臓物の腸詰だ。豚の胃腸を腸に詰めてから、時間をかけていぶして、クール・ブイヨンで煮たり蒸したりして作られる。andouille de Guémenéはブルターニュ地方で作られ、切り口が木の年輪のようになっている。そば粉のクレープの具にもなる。andouille de Vireはノルマンディー産で、脂身も入っていて、まろやかな風味。