金メダリストがブルターニュで柔道指導
2008年に渡仏した柔道金メダリストの佐々木光さん。ブルターニュ地方を拠点に、数カ所の道場で柔道指導にあたっている。今回はカンペール市にある「三四郎道場」の子供クラスと女性クラスを見学させて頂いた。
柔道創始者である嘉納治五郎の肖像写真に見守られながら、柔道着に身を包む子供たち。「体落 (たいおとし)」「袈裟固(けさがため)」といった難しい技の名も日本語のまま飛び交う。子供たちは果敢に技に挑戦するが、時にはいたずらを始める子も。「日本では先生への尊敬がある。フランスでは子供に『これやって』と言っても難しい。同じ趣味を持つ大人と思っている」と佐々木さん。とはいえ礼に始まり礼に終わる柔道。ゲーム感覚の運動も取り入れた親しみやすい授業だが、挨拶や礼儀は徹底指導だ。
女性クラスは和やかさの中に真剣さが漂う。文化が違うため指導方法はやはり異なるようだ。
「日本では職人のように同じ技を磨くのが美徳で、得意技ばかりする。フランス人は〈知りたい語りたい〉という欲が強い。実際に使えなくても技の知識が評価される」。しかし結局はコツコツやらないと身につかない。「だからフランス人には同じ『打ち込み』をするにも、『今日は立ったまま、今日は下がって』と、少し“いろは”を変え、繰り返し練習させます」
さて、佐々木さんは震災で被害を受けた岩手県大船渡の支援プロジェクト「海の道」も主催。今年は大船渡の子供たちをブルターニュに招待し、柔道合宿を開催した。(瑞)
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