シャンソン文化が健在。

工場街の跡。
工場街の跡。

Ivry-sur-Seine 市(パリ南郊外)

 シャンソンの魅力を伝えるべく、日夜ライブやCD制作に大忙しのアコーデオン奏者ミシェル・グラスコさん。大の親日家で、東日本大震災後は多くのフランス人が去った後も、日本全国を巡業した。
 シャンパーニュ地方ランス近郊出身の彼は、学生時代に音楽を学ぶためにパリに出てきて数年住んだが、友人から元ホテルの広い建物があると聞き、イヴリー・シュル・セーヌを訪れた。「実は全く知らなかった地区。でも美しい庭もあってすぐ気に入りました」
 当初は、家が気に入って引っ越しを決めたわけだが、次第に町そのものにも引かれていく。元工場街でコミュニスト色が色濃いイヴリーは、労働者階級や移民が多い。庶民的でパリよりご近所さんと挨拶も交わしやすく、フレンドリーな雰囲気が漂う。郊外だが治安は良く、移動も便利だ。「パリ13区の中華街も徒歩範囲」。RERに乗れば、サンジェルマン・デ・プレもあっという間。
 でもイヴリーだって音楽愛好家が集う穴場がある。「アソシエーション運営の〈フォーラム・レオ・フェレ〉です。そもそもイヴリーは、シャンソン歌手で詩人のアラン・ルプレストやアコーデオンの名手ダニエル・コランら有名なアーティストゆかりの地。パリのシャンソニエは観光地化してますが、ここには生きたシャンソン文化が残っています。私も時々出演してますよ」。共産党が強いこの町だからこそ、社会・政治にコミットした本来のシャンソンの神髄もしっかり味わえそうだ。
 振り返ればイヴリー在住17年。もうこの町から離れられなさそうなミシェルさんだが、実は難点がひとつ。「夜が早い!レストランもディナーはやってない。夜遊びするならパリに出ないとね」(瑞)
Cabaret ELM de Nagoya
ミシェルさん出演の日仏シャンソン協会主催コンサート。巨匠シャルル・デュモンを迎え、名古屋カフェ・コンセールELMの歌手やピアニスト加藤修滋ほかと共演。11月3日19h30。10€。
L’Européen : 5 rue Biot 17e  01.4387.9713  M° Place de Clichy

●Le Forum Léo Ferré

 ボランティアスタッフに支えられたシャンソニエ。パリ近郊で最も充実のプログラムを誇る。舞台上には、レオ・フェレが愛用していたピアノ。シャンソンを中心に、ジャズ、クラシックのライブも。
木~土19h~(食事可。公演は20h30~)、日16h30~  (公演は17h~)。
15€/12€(会員料金)
11 rue Barbès, Ivry-sur-Seine
01.4672.6468 www.forumleoferre.org
●Pop Ma Chérie

 子供服、メンズ、レディースを取り扱う古着屋。バッグ・靴なども豊富。クリエイターの新品の服も取り扱う。「明るい色を中心に揃えています」とスタッフ。帽子やアクセサリー、毛糸ものなどは一点品も多い。買い取り持ち込みは予約を。
火~金11h-19h、土9h-19h
42 av. Danielle Casanova,  Ivry-sur-Seine
01.4670.3824
●L’Equisetum
 イヴリーでは珍しく若々しい雰囲気の多国籍レストラン。2品13€、3品16€。日替わりメニューは毎日サイト上で公開。ギャラリー運営もしているので、作品を持ち込んでみては?
月~金8h30-16h(12h-14hランチ)
89 rue Victor Hugo,  Ivry-sur-Seine
01.4672.4473
工場街の跡。

工場街の跡。

自宅の庭でミシェルさん。

自宅の庭でミシェルさん。

17世紀建設の風車。

17世紀建設の風車。

Cabaret ELMの歌手たちと共演。

Cabaret ELMの歌手たちと共演。

〈フォーラム・レオ・フェレ〉のスタッフと。

〈フォーラム・レオ・フェレ〉のスタッフと。