4月半ばくらいから、毎年心待ちにしているアスパラガスの季節! シンプルにゆでてからホワイトソースを添えたり、サラダに入れたり、オリーブ油で好みの固さになるまで炒めてから塩、コショウを振りかけ、シブレットを散らしたり、と食べても食べても飽きないおいしさ。今回はキッシュを作ってみよう。
アスパラガスは、白いアスパラより、しっかりした味わいで色もきれいなグリーンアスパラを、ひと束買ってくる。予算が許したら、ひと束半くらい入れるといい。根元の固いところを4センチほど切りとる。そこから、皮むきcouteau économeで、すっすっと6センチほどひと皮むく。これを三つくらいに切り分け、下ゆでする。塩加減は薄め、ゆで時間は太さ次第だが、6分から8分くらいだ。すぐに冷水にとって熱を冷まし、クッキングペーパーに並べて水気を切っておく。
ベーコンpoitrine fuméeは、ラルドン(小さな棒状)に切り分ける。これをフライパンにとり、弱火で、軽く色がつくまで炒めておく。
卵をボウルにとり、泡立器で丁寧にほぐしてから、生クリームを加えて混ぜ合わせる。軽く塩、コショウしてから、みじんに切ったシブレットを混ぜ入れる。ナツメグ少々もおろして加えたい。
このへんで目盛りを200度に合わせてオーブンに点火する。
パイ生地は市販のものでもいいけれど、できたら1時間ほど寝かせておいた自家製を使いたい。3ミリの厚さに丸く伸ばしたら、バターを塗った直径28センチの型におさめる。底をまんべんなくフォークで突っついてから、マスタードを薄く塗る。アスパラガスとベーコンをバランスよく並べてから、卵と生クリームのミックスを静かに注ぎ入れ、おろしチーズをたっぷり振りかけてから熱くなっているオーブンに入れる。30分ほど経って、表面にきれいな焼き色がついたらでき上がりだ。熱々よりは、少し冷ましてから食べるとうまい。ミックスサラダを添えましょう。(真)
グリーンアスパラガス1束、ベーコン100g、パイ生地pâte brisée、マスタード、バター
キッシュ用ミックス:卵4個、液状生クリーム300cc、シブレット半束、塩、コショウ
●quiche
キッシュは、ほとんど何を入れてもいいという便利な料理。行きつけのレストラン〈Le Pharmacie〉のランチには、アントレに必ずキッシュがある。ベーコン入りのロレーヌ風キッシュquiche lorraineだったり、ニンジンやアスパラガスなどの春の野菜入りだったり、サケとホウレンソウ入りだったり、チキンの胸肉とブロッコリー入りだったりする。トゥール風だと、豚の三枚肉を角切りにしてラードで炒め上げたリヨンrillonや豚肉のリエットが入る。魚や野菜を入れる時は、下ゆでしてから使う。どのキッシュにもミゲーヌと呼ばれる卵と生クリームのミックスが入るが、今回のレシピのような割合が標準で、柔らかい方が好きな人は生クリームの量を少し増やす。
●quiche aux moules
ムール貝のキッシュもおすすめ。ムール貝を1キロ買ってくる。ひげbarbeをとりよく洗っておく。ソトゥーズかフライパンに白ワインを半カップとり強火にかける。沸騰してきたら、ムール貝を重ならないように入れふたをする。貝が開いてきたら網じゃくしでとり出す。1キロだと2、3回に分けてやることになる。冷めたら身を殻からはずす。煮汁は捨てないこと。小さめのニンジン2本はゆでてから輪切りにする。ミゲーヌは生クリームの量を減らして、その分ムール貝の煮汁を加えるといい。そしてみじんにきざんだパセリかバジリコもたっぷり加える。型にパイ生地を敷き、底をフォークで突っついてムール貝を並べ、という具合に、後の手順は今回のレシピ通りです。
●アスパラガスのクリームスープ
アスパラガス1束を、今回のレシピのように下準備し、1センチの長さに切る。タマネギ1個はみじん切り。鍋にバターを大さじ3杯とり弱火にかけ、タマネギを炒める。透き通ってきたらアスパラガスを加える。5分ほど炒めたら、小麦粉大さじ2杯を振りかけて混ぜ合わせ、しばらく炒めてからトリガラのブイヨンを1リットル注いで、木のへらで丁寧に混ぜ合わせる。中火にし、沸騰したら弱火に戻し15分火を通したら、ハンドブレンダーでミックスする。液状生クリームを100cc加えて混ぜ合わせ、塩、コショウで味を整える。穂先のいくつかをとっておいてゆでたものを飾りにしてもいい。