陽の当たるテラスで、ステーキを味わう幸せ。

 サンマルタン市場に沿ったブシャルドン通りは、あまり車も通らず、10区のど真ん中とは思えない静けさ。その歩道にテラスを持ったレストランが、この〈La Pendule occitane〉。すぐ隣の〈Le Réveil du Xe〉で働いていたダヴィッドさんがここを仕切っている。
 この店のおすすめはと聞いてみたら、ダヴィッドさん「やっぱりオーヴェルニュ地方、サレルス産の牛のステーキ! きょうは特に〈Entrecôte(リブロース)のステーキXLアリゴ付き〉があるよ」。その350グラムという量と28€という値段に少々ひるんだが、「saignant(レア)」と注文。取材なんだからと、前菜にニシンの油漬けfilets de hareng(4.8€)もとった。 
 12時を過ぎるとテラスに陽が当たってくる。ニシンの油漬けは塩加減が適切でおいしかったが、三切れのうち二切れで我慢し、本番を待つことにした。
 登場!  15センチ四方以上はありそうだ。適度に脂身が混じり込みナイフがすっと入る。口に含みゆっくりかみしめると、角が長く毛が縮れたサレルス牛ならではの滋味があふれる。とても柔らかいが、フランス人に言わせたらきっと頼りないくらいの神戸牛の柔らかさを期待してはいけない。そこはあくまでもフランス風ステーキ。のみ込むのではなく、ゆっくりかみしめてこそのおいしさだ。ロックフォール風味ソースもついていたが、コショウだけを挽きかけて味わいたい。アリゴというマッシュポテトもチーズがたっぷり入っていてよく糸を引く。ワインはミシェル・テットのジュリエナス(1/2ピシェで11.8€)。ボージョレ特有の果実風味が控えめでコクもあり、ステーキに最適だ。
 もう少し量が少なめで値段も手頃というのなら、同じサルレス牛のbavette 250グラム(13.2€)。これも極上。でも絶対に「saignant」ですよ。本日の料理に豚肉のローストがあったらこれも逃せない! 軽くすませたいなら各種サラダ(8.8€〜)もある。(真)
*二人分で750グラムというentrecôteのステーキ(48€)もあるが、「3人でとってもらっても構いませんよ。こうすれば前菜も、自慢のチーズケーキも食べてもらえるし」とダヴィッドさん。


La Pendule occitane

Adresse : 27 rue Bouchardon, 75010 paris
TEL : 01.4238.0080
日・月夜休。12hから22hまでいつでも食事可。