調理器具が誕生した石器時代より、ハーブは料理に用いられてきた。一番古い記録は古代エジプトのヒエログリフ。古代ローマもハーブを賞賛した。しかし正確なハーブの効用を知るには中世を待つことになる。数々の治療法を発案したノストラダムスの原理には、4大風味である甘塩酸苦のうちハーブによって得られる酸味と苦味に関する記述が多く見られる。シャルル5世、シャルル6世の料理人であったギヨーム・ティレルが1330年に書いた料理書「ル・ヴィアンディエ」にはハーブの使い方が記されている。風を切る(tailler le vent)かのごとく巨大な鼻を持つ彼は後にタイユヴァン(Taillevent)という愛称で呼ばれた。偉大な料理人の一人、ジョゼフ・ファーヴルは風味上の利点のみならずハーブの医薬的効用を強調した。「人間の最も優秀な医師はその食物である」(み)