前からモンパルナス駅横にある郵便博物館が気になっていたが、その夢がかなった。 これまで「イヤ」と首を振っていた娘がようやく興味を示したのだ。
9歳にもなるとパネルや説明文をしっかりと読む。時間はかかるけれど、そこは待ってあげよう、とせっかちな自分に言い聞かせる。いつから便りを人々は送りあうようになったのか。そして便りはどのように人から人の手に渡ったのか。フランスではルイ11世の時代、15世紀の終わりには継ぎ馬や替え馬を使いながら便りが遠くまで運べる仕組みrelais de chevauxができた。そして17世紀のはじめ、アンリ4世の時代に王立の運輸会社が設立され、各地に輸送業務を行うrelais de posteが生まれる。フランス革命直後に近代郵便の土台が築かれる。輸送方法も、馬の次は馬車、産業革命の時代になると蒸気船や列車が登場する。
電報の発明と導入というテーマの展示室では、シャップ兄弟の腕木式通信機や信号で有名なモールス電信機などの説明が丁寧に記されている。娘はモールス信号のブースに興味津々。アルファベット表とにらめっこしながら 「ツーツー」と30分は座っていただろうか…。
19世紀半ばにはまるごと「郵便局」と化した列車が走り、走行中に郵便物が仕分けられたりホカホカの電報を受け取れる仕組みになっていた、切手の誕生は1849年で、郵便ポストの誕生は1850年だった、切手が商業化されるまでは、差出人ではなく受取人が支払う仕組みになっていたなど…へえー、と思う情報が満載された常設展を半日がかりで堪能。(海)
34 bd de Vaugirard 15e 01.4279.2424
月-土10-18h(日祝休)。
5e/3.5e(26歳以下は無料)。