Boeuf miroton
ロベール=J.・クルティーヌは料理研究家。バルザックが何を食べていたかを、いろいろ想像しながら書いた『Balzac table』(Robert Laffont社。1976年発行)という名著がある。数多くのレシピも紹介されているけれど、「あまりに大雑把なので作ってみたことがない」と『バルザックの料理帖』の(さ)さんが言うので、その中から『従弟ポンス』に出てくるという〈Bœuf miroton〉にトライ。
ポトフなどで残った牛肉にはいろいろな使いみちがある。挽いてからアシ・パルマンチエ、薄く切ってからトマト風味のソースで煮込むミロトン…。バルザック好物のこのミロトンは、玉ネギをたっぷりのせてオーブンで焼くものだ。
といってもポトフが残っていなかったら、ローストポークや子羊肉の煮込みの残りでも構わない。なるべく薄く切り分けておく。
この辺でオーブンの目盛りを180度に合わせて点火しておく。
フライパンやソトゥーズにバター100グラムを加え中火にかける。バターが溶けたらみじん切りの玉ネギを加え、玉ネギに軽く色がついてきたら小麦粉大さじ1杯を振りかける。木のヘラで混ぜ合わせながらしばらく炒めたら、ビネガーと白ワインを大さじ2杯ずつ、そして全体がピュレ状になるまでポトフのスープを少しずつ加えていく。ポトフのスープがなかったら、水でもOK。ぐつぐつっと沸騰してきたら軽く塩、コショウして、火を止める。
オーブン皿に薄くバターを塗り、まず玉ネギのピュレ半量を敷き、その上に薄く切った肉を少しずつ重なるようにしながら広げる。これを残りの玉ネギのピュレで覆い、パン粉を振りかけ、バターの小さな塊をいくつかのせて、熱くなっているオーブンへ。きれいな焼き色がついたら、きざんだパセリを散らして熱々を食卓へ。
飲み物について、クルティーヌ氏は、小説通りにビール、それもデンマークやベルギーのラガータイプをすすめている。(真)
ポトフなどの残り肉500グラムくらい、玉ネギ中4個、バター、ビネガー、白ワイン、
パン粉、塩、コショウ