かつて年間34万人の入場者数を誇っていた映像センター、フォーラム・デジマージュ。だが3年前、突然の改装工事に突入。長らくファンをヤキモキさせていたが、昨年末ようやく再オープンへ。目の覚めるようなピンクが手招きするモダンな内装に期待が高まるが、変わったのは外観だけではない。総合ディレクターのローランス・ヘルスベルグさんに話を伺った。 「コンセプトは、〈年齢や知識を問わず、興味を持った誰もが映画を発見できる空間〉です。ですから、観客に対して事前に一定の知識を要求するシネマテークとは、ライバルにはならないのです。 私たちは、映画が社会や世界に対して投げかける「問い」にこそ注目し、上映のテーマを決めます。例えば最近では「NY」をテーマに据え、映像による都市のポートレートを組み立てました。今後は「欲望」「復讐」といったテーマを用意しています。私たちはこの施設が、討論と交流を促す「好奇心の場所」となることを強く望んでいます。その意味で、以前にはなかった、大衆の映画大学ともいうべき企画「アカデミー」は重要です。例えば毎週金曜の18h30に無料の公開授業を行っています。ここでは映画人のみならず、歴史学者、精神分析医、社会学者、都市計画家などを講師に迎えます。 さて今回の改装で、旧ビデオ鑑賞スペースの映像コレクションを、すべてデジタル化しました。実は現在、映像鑑賞スペースは、火から金の19h30以降は無料。ここでは5500本のパリに関する作品が観られます。映画好きの日本人の方には、きっと映像による素晴らしいパリ旅行にもなりますよ」(聞き手:林瑞絵) Forum des Images : Forum des Halles内。 |
© Laurent Edeline
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