ヨーロッパの監督は、常にヨーロッパとは何かをさまざまな形で問いかけてきたといえるだろう。それを展望してみようという『ヨーロッパの1世紀、映画の1世紀』というシリーズがシネマテークで7月いっぱい続く。
フランツ・フェルディナント大公(彼の暗殺事件が第一次世界大戦の発端となった)を恋愛ドラマにしたオフュルス監督の『De Mayerling à Sarajevo』(1939)、1919年の炭鉱事故を扱ったパブスト監督の『La Tragédie de la mine』(1931)、スペイン市民戦争についてのインタビューを集めたセンプラン監督の『Les Deux mémoires』(1972)、フランスで反フランコの闘いを続ける人々を追ったレネ監督の『La Guerre est finie』(1965)、第二次世界大戦中のオランダでのレジスタンスをアクション映画にしたヴァーホーヴェン監督の『Black book』(2005)、連合軍とナチスから追求される一人のアメリカ人に迫ったフォン・トリアー監督の『Europa』(1991)、子供の死でショックを受けた外交官の妻の変貌ぶりを見つめたロッセリーニ監督の『Europe 51』(1952)、ロンドンでヤミ労働に携わるポーランド人たちをヒーロにしたスコリモフスキー監督の『Travail au noir』(1982)、ドイツ国内をさまよう二人の男の友情をロードムービーにしたヴェンダース監督の『Au file du temps』(1975)、8カ月の意識不明から目覚めたばかりでベルリン壁崩壊を知らない元東ドイツの一女性の悲喜劇を撮ったベッカー監督の『Good-bye Lenin!』(2002)。他にもタネール監督の『Le Milieu du monde』(1974)、クストリッツァ監督の『Underground』(1993)などが見逃せない。(真)
Cinémathèque française : 51 rue de Bercy 12e 01.7119.3333 M。Bercy
詳しいプログラムはwww.cinematheque.fr
5€/4€(学割他)/2.5€(12歳未満)。