L’Ebauchoir–やっぱり「定食屋の代表」といえる味、雰囲気…。

 以前オヴニーにも素敵な料理記事を連載してもらった稲葉由紀子さんが『新・パリでお昼ごはん』(TBSブリタニカ発行)の中で「いい定食屋の代表といえば、まずこの店」と大推薦のL’Ebauchoirに久しぶりに友だちと出かけていった。隅々まで磨き抜かれた店内の心地よさ、きびきびとしたサービス、客層のくつろいだ顔の良さ、それだけで、もう心が弾んでくる。窓からは優しく冬の光も差し込んできた。
 毎日クラフト紙に印刷されるその日の昼のコース料理は、アントレ+メイン+デザートで13.5€か、アントレあるいはデザートを抜いて12€。アントレに、友人は山羊チーズ風味のレンズ豆スープ、ボクはオックステールのテリーヌ。メインに友人はパンガという、ベトナムのメコン川で養殖されている魚のバジリコ風味、ボクは子牛の胸肉の南仏風ブレゼをとった。ワインは今月のおすすめ、フランス南西部コット・ド・デュラの赤(1本18€)。「au compteur」ということなので、残っても飲んだ分だけ払えばいいシステムだ。
 レンズ豆スープは軽い塩加減、山羊チーズも控えめで柔らかな風味。テリーヌはオックステールをニンジンと一緒に赤ワインで煮てそれをそのままミンチにしたようなうま味。むっちりとした舌触りはオックステールのゼラチン質のせいかな。メインはというと、パンガはさらりと焼いてありバジリコの香りが際立つ。付け合わせのフヌイユの炒め煮がおいしかった。子牛の方は、ローストしたかのように、外側がかりっとしていておいしい。もう少し脂身が入ったこってりとした風味でもいいのでは、と思ったが、この方が健康的な今の味なのだろう。
 その後、友人は、香り高いオリーブ油がかかった山羊乳のフレッシュチーズ、ボクは久しぶりにムース・オ・ショコラ。残っていた、こくのあるコット・ド・デュラをグラスに注いで、乾杯を交わして、おいしく味わった。(真)

43/45 rue de Citeaux 12e 01.4342.4931
M。Faidherbe Chaligny 日・月昼休。