禁煙が強化されて楽しみが増えた。レストランに足を踏み入れる時に感じる香りが以前のそれとは断然違うのだ。ここでもドアを開けた途端に、魚の焼ける芳ばしい香りに包まれた。そのうえ、南国の浜辺を意識した内装の店内の床には、白砂が一面に敷きつめられているのだから気分はもうバカンス。私たちは嬉々としてピナコラーダ(6€ )と、ノンアルコールのトロピカルカクテル(4€)を注文。
メニューは、昼も夜も同じでメイン+前菜かデザートの2品コースが23€、3品で28€。私たちは、前菜には、ショウガ風味のマグロのタルタルを、メインは、タコのカレーとブルジョワというセイシェル特産の白身の魚のグリエを頼んでみた。
さっそく運ばれてきたマグロのタルタルは、ショウガや塩の加減、オリーブオイルとのマリネ加減が絶妙で素晴らしい。そのうえ、大きめのさいの目に切られたマグロの新鮮なことったら。魚料理はどうしたって日本料理が一番と思うけれど、セイシェルの魚料理のレベルもびっくりするほど高い。メインのブルジョワのグリエも最高 ! 焼き加減もばっちりだし、銀ダラやタイにも似たむっちり弾力のある白身が味わい深い。添えられたトマト風味のルガイユソースやココナツ、生野菜がさらにバカンス気分を盛り上げてくれる。友人のとったタコのカレーも、マイルドなカレーに柔らかいタコのぶつ切りがたっぷり入っていて十分な食べ応え。
デザートには、マンゴーのムースとココナツのアントルメとアイスクリームをとった。マンゴーのムースは、ふわふわのやさしい味で満腹でもOKの軽さ。自家製のココナツアイスも抜群で、上品な苦みのあるカラメルソースが添えられている。
味も雰囲気も満点の店だが、夜は人員不足で迅速なサービスが望めないので、あえて南国のリズムと割りきるか、昼に行くのがよさそうだ。(里)
Coco de mer
Adresse : 34 bd Saint Marcel, 75005 Paris , FranceTEL : 01. 4707.0664
アクセス : M。Saint Marcel
月昼・日休。