Soupe aux pois casses
穀物やスパイスを売っている店graineterieやスーパーで、pois cassésと呼ばれる干したエンドウ豆(まだ未熟なうちに摘まれたものがグリーンピース)が売られている。大きく育てた豆の皮をむいて干したもので、どれも二つに割れているので「割れた豆」という名称になった。1キロ3ユーロ前後と高くないし、タンパク質やビタミンBなども豊富な優れた食材だ。ピュレにして豚肉や子牛料理の付け合わせにするのもおすすめだが、今回はカロリーが高く、冬にふさわしいスープを作ってみよう。家庭料理からちょっと姿を消していた一品だったが、最近になって気のきいたレストランなどでカムバックしている。
干しエンドウを4人分として300グラム、たっぷりの水に浸す。重曹bicarbonate de sodiumを小さじ1杯ほど入れると豆に火が通りやすくなる。2時間経ったら、ザルにとってすすぎ洗いし、大きな厚鍋に戻し、1200ccほどの水を加える。小さく切った長ネギの白い部分半本分と、セロリの茎を足したブーケ・ガルニを入れる。さらに生ハムの皮や脂身を一つかみ入れる。かわりに小さく切ったベーコンを80グラムほど加えてもいい。ハムやベーコンに塩味が出るので、ここでは塩は加えません。
中火にかけ、沸騰したら弱火にし、フタをして1時間ほど煮ていく。豆が鍋底につかないように、時々、木のヘラで混ぜ合わせることを忘れないように!
豆がすっかり柔らかくなったころだろう。ブーケ・ガルニとハムや生ハムの皮・脂身を取り出したら、全体をブレンダーでなめらかなクリーム状にする(ベーコンを入れた場合は取り出す必要なし)。あんまりぽってりしているようなら、水を足し、生クリームを好みの量加え、塩・コショウで味を調える。小さく切って揚げておいたパンを浮かべると、歯ごたえに変化がついていい。豆の優しい甘さにベーコンや生ハムの風味が溶け込んだスープで、体も心も温まる。(真)干しエンドウ300グラム、ハムの皮・脂身あるいはベーコン約80グラム、生クリーム少々、セロリ入りのブーケ・ガルニ、長ネギ半本、塩、コショウ。
●干しエンドウのピュレ
厚鍋で、まずみじんに切ったタマネギ1個と生ハム2枚を炒める。そこへ、しばらく水に漬けておいた干しエンドウ250グラム(4人分)とブーケガルニを加えて1時間ほど煮ていく。水加減はエンドウの量の4、5倍だけれど、最後に水気がかなり残っているようなら、鍋のフタを開けたり、火を強くしたりして、その水気を飛ばすようにしたい。マッシュポテト同様に、最後にマッシャーやフォークでつぶして、塩とコショウで味を調えれば、エンドウ豆のピュレができ上がる。豚肉やトリ肉などの料理の付け合わせにいい。
●干しエンドウあん
やはり上のレシピのごとく、干しエンドウを煮ていく。もちろんあんにするのだから、ハムの脂身やブーケガルニなどは入れないが、豆300グラムに砂糖を200グラム前後入れます。シナモン風味にするのも面白い。このあんを小さなだんごにし、煎ったゴマをまんべんなくまぶせば、素敵な茶菓子。
●シャンパン
フランスでは、クリスマスから新年にかけて家族や友人が集まると、決まったようにシャンパン。「ポッーン」と勢いよく栓が抜かれると、その場が急に華やかになる。〈millésimé〉とうたってあるものを除いては、シャンパンは産地や収穫年の違う白ワインをブレンドして作られる。こういう風にブレンドしながら、毎年各ブランド特有の味に近づけていくのがシャンパン職人の腕の見せどころだという。
シャンパンは、ひんやりとしたカーブの暗所で横にして、数年間保存できるが、ワインと違って味は変わらない。飲むのに適した温度だが、冷えすぎていては味がわからない。ふつう8度、ミレジメなら10度くらい。冷蔵庫の下段に3時間くらい寝かせておくか、ワインクーラーに入れて20分くらい待つといい。
栓を抜く時は、栓を押さえながら、まず栓を固定している針金を外す。片手は栓、片手はびんの底の方をつかんで、びんを45度くらいに傾け、回しながら栓を抜いていく。「ポッーン」と抜けてもあわててビンを立てず、45度の角度を保つとシャンパンが溢れ出ない。
●ブレンダー
鍋で野菜を煮てからスープを作る時、今回のレシピでも大いに役立ったブレンダーmixeur plongeurを使えばとても簡単だ。鍋の中身を移したりする必要もないし、このミキサーを鍋に突っ込んでボタンを押すだけだ。難点ははねやすいこと。それを避けるためには、なるべく大きめの鍋で煮ること、野菜は面倒でもあらかじめ細かく切っておくこと、すっかり柔らかくなるまで火を通すことなどが肝心だ。さまざまな野菜をミックスしたスープは、それぞれ野菜の粒々がまだ少し残っているくらいでブレンダーを止めた方がおいしいものだ。(真)