La Cerisaie — 予約してから出かけたい小さなビストロ。

 モンパルナスタワー足下の人気店。コースメニューはなく、昼も夜も同じ。黒板に書かれた前菜8.5€、メイン14.5€、デザート7.5€ のメニューからお腹の空き具合に合わせてチョイスする。オーナーシェフのシリルさんはミディ・ピレネー地方、アリエージュ県出身。彼の故郷を思い起こさせる素材が多く並ぶのが特徴だ。友人はベアルヌ風ブダンとクロダラのブランダードを、私はカボチャとフォアグラのポタージュとピレネー産乳飲み子羊のロースト(5€追加)を選んだ。
肘が触れあうような近さなので、「あら、おいしそう」なんてお隣さんとちょっとした会話も生まれる。カボチャのスープは、ぶくぶくの泡の中にフォアグラが隠れて登場。意外にあっさりした味に驚く。友人の前菜は、かりっと焼かれた大きな輪切りのブダンの上にマーシュのサラダがのっている。彩りも美しく、こってりとした独特の風味が食欲を増す。
 メインもまたゴキゲンだ。友人のとったブランダードも、オリーブ油の香りといい、時々ピリリとくるエスプレット唐辛子のアクセントといい一級品。子羊のローストも期待通り。ジューシーで味わい深い肉もおいしく、付け合わせの〈赤ピーマンのファルシ〉も、品のいい辛味があるピーマンにジャガイモのピュレが入っていてすこぶる美味。
 ここでデザートをとるかチーズにするかで迷ってしまった。デザートのラインナップもさることながら、アリエージュ産の〈ベトマル〉というチーズのマルメロの実のジュレ添え(6€)というのがどうしても気になったので、これを半分こすることに。ベトマルはクリーミーな牛乳チーズで、やさしい甘さのジュレと一緒に食べると一層おいしさを増す。友人もこの食べ方が相当気に入ったようだ。
 素材へのこだわりや丁寧な料理、細やかな気配りなど小さなビストロならではの魅力がいっぱい。ただし席数が21しかないので必ず予約を。(里)


“Brandade”

70 bd Edgar Quinet 14e
01.4320.9898
M。Montparnasse-Bienvenue 土日休