寒い日には、熱々のポトフが食べたくなる。 Pot au feu

 牛肉を、長ネギ、ニンジン、カブなどと煮込んだポトフ。体が芯から冷えてしまいそうな寒い日に無性に食べたくなる一品だ。ポトフの作り方を書いたのは、もうひと昔、リクエストも多いので復習です。

 牛肉は、ゼラチン質や脂身が適度に混じった肩肉macreuse/paleronやスネ肉giteなど、好みのところを4人分として1キロ買ってくる。ふつう肉屋さんは真ん中に髄の入った骨も付けてくれる。肉と骨をまとめて結わえ、圧力鍋に入れ、ヒタヒタに水を張って、火にかける。水が冷たいうちから肉を入れるか、一度沸騰してから入れるかで意見が分かれたりするが、でき上がりにほとんど違いはない。また普通の大鍋の方がいいと主張する人も多いが、時間は倍かかる。沸騰してきたら丹念にアクをとるのが、澄んだスープを作るコツだ。
 セロリも入っているブーケ・ガルニ、丁字を1本刺したタマネギ1個、塩大さじ1杯、コショウ適量を加え、フタをして圧力をかける。シュッシュッと湯気が出始めたら火を弱火に落とし、1時間。ここで一度フタを開け、ニンジン3、4本、カブ3、4個を丸のままか大きく切り分けて加える。ネギの白いところ4本分は結わえてから加える。ポテという豚肉の煮込みと違ってキャベツは加えないが、キャベツ大好きという人は、一度下煮して匂いをとってから加えること。もう一度フタをして、シュッシュッ30分で柔らかく煮上がるはずだ。ジャガイモは煮くずれしやすいので、別にゆで上げてから、最後に加える方が無難だ。
 ポトフの味わい方もお好みだが、最初に肉と野菜のうま味が一つになったスープをふ~ふ~いいながら味わうのがいいだろう。次は湯気を立てている肉と野菜。肉は適当な大きさに切り分ける。マスタードや粗塩を忘れずに添えたい。骨の髄はどうしても取り合いになってしまうけれど、パンにのせて、レモンを垂らして味わうと絶品!
 ワインは、フルリFleurieなどのボージョレの赤がいい。(真)
煮込み用牛肉1キロ、ニンジン4本、カブ4個、長ネギ4本、タマネギ1個、ジャガイモ6個、セロリ入りブーケ・ガルニ、丁字1本、塩、コショウ

ポトフの残りものは…
ポトフの肉が残ったら、料理人の腕の
見せどころ! 最初から牛肉が500グラム残るくらいに作っておく方がいい。
●サンドイッチ、サラダ
冷めたものをそのまま薄く切って、サンドイッチに挟んだり、コルニション、ゆで卵、ミックスサラダなどと一緒に盛り付け、タルタルステーキ用のソースやマヨネーズを添える。

●アシ・パルマンティエ
子供たちが大好物のアシ・パルマンティエ。その具に使ったら、生の挽き肉を使うよりはるかに味がいい。残り肉500グラムを、挽いてもいいけれど、ポトフの残り肉だと気づいてほしいので包丁で粗く刻んでおく。厚鍋にバターをとりみじん切りにしたタマネギ3個をよく炒め、小麦粉大さじ1杯をまぶす。しばらく炒めたらポトフのスープを1カップ注ぎ、よくかき混ぜながら、弱火で15分ほど煮込む。好みではトマトピュレ少々を加えてもいい。肉を混ぜ入れ、塩、コショウで味を調えれば準備完了。あとはこの具をオーブン皿に敷き、マッシュポテトで覆い、溶かしバターをかけ、粉チーズを振って、強火のオーブンへ。

●ミロトン・ド・ブフ
ポトフのスープを1カップ注ぐまでは、アシ・パルマンティエの具のレシピとほとんど同じ。ただしトマト味にしたいので、濃縮トマト少々を加える。しばらく火を通したら、なるべく大きめに薄切りにしておいた残り肉を加え、グツグツいってきたらでき上がり。パセリをたっぷり散らし、バターライスを添える。バルサミコ酢やタバスコ少々を加えてもおいしい。

●韓国風雑炊
鍋に必要なだけのスープをとって熱くし、ごはん適量を入れ15分ほど煮たら、残っている肉や野菜を加え、好みでモヤシ一つかみを入れ、再沸騰してきたところで、ゴマ油を垂らせば完成。刻みネギを散らし、キムチ少々を置く。


●圧力鍋
 autocuiseurあるいはcocotte-minuteと呼ばれている圧力鍋。現在はほとんどがステンレス製で、この鍋を使えば煮炊きの時間が半分以下になって経済的だ。最近は大した力も入れずに圧力をかけられるシステムも開発されている。ポテ、ポトフなどには欠かせないし、カレーを作る時なども、牛肉や羊肉をあらかじめ圧力鍋で下煮してから、その煮汁ごと利用すると、調理時間が随分短くなる。ゆっくりと煮詰めていく牛肉の赤ワイン煮などは従来の鋳鉄製のココットの方がおいしくできる。最後に弁soupapeをはずして蒸気を抜くときは火傷しないように気をつけよう。