庭でタンポポの葉を摘んで春のサラダです。 Salade de pissenlit aux crevettes

 友人たちが晩ごはんを食べにやってくることになった。春の陽が当たっているわが家の小さな庭に出て、タンポポの葉を摘むことにした。黄色い花が咲き始めたものは、葉も大きくなっていて、固かったり苦すぎたりするので、なるべく若い葉を摘むようにしたい。庭がなくても、八百屋に明るい緑色のタンポポの葉が売られているので、かすかな苦みが貴重な、春のサラダを作って楽しみたい。
 根を切り取り、黄色くなったりシミのある葉をのぞき、泥がついているので丁寧に数回水洗いをしてから、しっかりと水気を切っておく。
 セロリは、ナイフを使って筋をすっすっととり、1センチほどの幅に斜に切る。これを1分ほど塩ゆでにし、色がきれいに残るように、すぐ冷水にとる。 
 トマトは湯むきし水気の多い種の部分を取りのぞき、薄いくし形に切り分けておく。
 エビは、ピンク色のゆでエビを買ってきて殻をむいてレモンをしぼりかけておく。時間と予算が許すなら、ラングスティーヌを買ってきて、自分で塩ゆでしてむき身にすればさらにおいしい。最近スーパーで見かけるようになったザリガニecrevisseのむき身を使うこともおすすめ。
 以上をサラダボールにとり、大きくかき混ぜておく。このサラダにはバルサミコ酢風味のドレッシングが合うようだ。ボールにバルサミコ酢を大さじ1杯加え、塩ひとつまみ、コショウを挽き入れる。細かなみじんに切ったニンニク1片も加えて混ぜ合わせる。ここへオリーブ油を大さじ3杯加え、さらに丁寧に混ぜ合わせる。みんながテーブルに揃ったというところで、このドレッシングで和えればでき上がりだ。ボクの友人のフランスさんはトマトのかわりにあまり熟れすぎていないマンゴーを使っていたけれど、これもおいしかった。ワインはカンシーのようなフルーティーな白。(真)

タンポポの葉200~250グラム、殻付きのゆでエビ300グラム、セロリ4、5本、トマト2個、塩、コショウ、バルサミコ酢、オリーブ油


●mesclun
八百屋にメスクランと呼ばれるミックスサラダが、100グラム単位で量り売りされている。内容は季節によって少しずつ変わるけれど、レタス、フリゼ、赤紫色で歯ごたえのいいトレヴィーズ、形がちょっとタンポポの葉に似ていてやはり苦みのあるロケット、ホウレンソウ、マッシュ、 いずれも若葉で彩りがきれいだ。春先にはタンポポの若葉もこれに加わる。ボクはマスタードをちょっときかせたビネグレットで和えることにしている。
●langoustine 
langoustineは、辞書を引くとヨーロッパアガザエビと出てくる手長エビ。キロ20ユーロ前後からで、大きくなるにつれて高くなる。4人だったら1キロは軽い。普通は塩ゆでにしてからマヨネーズで食べる。むき身にしたものをサラダに入れたら最高だ。大きいものは殻をむいてから有塩バターでソテーしたり、オーブンで焼いたりする。なぜか長いハサミにほとんど身が入っていないのが、残念といえば残念。


パエリャの上に
langoustines。
●ビネグレットのコツ
vinaigretteはサラダドレッシングのこと。ビネガー(ワイン酢)と油の割合は一般的に1:3だが、ビネガーの種類によって酸味の強いものと弱いものとがあるので、この割合が多少変わってくる。ケースバイケースです。最初から油も加えると塩が溶けにくくなるので、まず酢をとり塩をひとつまみ加えてよく混ぜ合わせてから油を加えるのがコツ。マスタードを加える場合も、まず酢とマスタードをよく混ぜ合わせることが肝心。マスタード自身に酸味があるので、ビネガーは控えめにしたい。ビネガーのかわりにレモンの搾り汁を加える場合は、油はその4、5倍は加えたい。ビネグレットを軽く仕上げたい時は、油と生クリームを半々にするといい。ビネグレットは4、5日持つから、少し多めに作って、フタができる瓶などに入れて冷蔵庫で保存しておくと便利だ。
●essoreuse à salade
 サラダはどんな種類でも、大量の水で洗うことが大切。虫がついていそうな時は、ビネガーを少量加えるといい。洗ったら、このサラダ専用水切り器のザルにとり、フタをしてハンドルを回すと、そのザルが歯車仕掛けのおかげでうなりをあげながら急回転し始め、遠心力でサラダの水気がたちまち切れてしまうというすぐれ道具。以前はpanier saladeという専用のザルに入れ、窓やバルコニーから身を乗り出して勢いよく振ったものだ。すると、下を歩いている通行人は「あれっ雨?」(真)