Soupe de legumes en paysanne
年末年始のごちそう攻めで、胃腸が参っている時には野菜のスープが欲しくなる。野菜を切り分けてから薄く輪切りにすることをtailler en paysanneというけれど、そんな風に下準備された野菜がたっぷり入ったスープです。
ニンジンは二つあるいは四つに切り分けてから、ごく薄く輪切りにする。ジャガイモとカブは1cm角くらいの拍子木に切ってから、やはり薄く輪切り。ジャガイモのでんぷんがスープに軽いとろみをつけてくれるので、切ったジャガイモを洗ったりしてはいけません。ネギは白いところだけ使う。大きさ次第で二つあるいは四つに切り分けてから、1cm幅に切り分けていく。キャベツの葉も、1cm幅に切り分けたものをさらに1cm幅にきざむ。とにかく、野菜の形を残すスープだから、スプーンで味わいやすいように、同じような大きさ、薄さにすることが大切だ。
鍋にバターを大さじ2杯とり、小さく切り分けたベーコンをさっと炒め、ニンジン、カブ、ネギを加える。木のヘラで混ぜ合わせながらしばらく炒めたら、水を1リットル半加え、軽く塩。再沸騰してきたら、キャベツを加え、10分ほどたったらジャガイモを加える。さらにことこと10分ほど沸騰させ、塩、コショウで味を調えれば、できあがりだ。
スープ鉢soupièreに入れてバターを浮かせたりしたらスープの格がぐんと上がるけれど、なかったら鍋ごと食卓へ。エマンタールなどのおろしチーズと浮き身のクルトン(作り方は右欄参照)を忘れないように添えましょう。水のかわりにトリガラのスープを加えても、素晴らしい味になるけれど、水の方が野菜のうまさが引き立つようだ。野菜好きの人はもちろん野菜の分量を多くしても構わない。(真)
ニンジン1本、ジャガイモ中3個(このスープにはBF 15やcharlotte種のように煮くずれしないタイプ)、カブ1個、ネギ1本、緑キャベツの葉1、2枚、ベーコン80g、バター、塩、コショウ
●サバの小骨
サバの小骨の取り方、前号でイラストするのを忘れていました。ごめんなさい。しめサバの時も、同様に小骨をとって、細長い菱形に切れば、きれいに盛りつけができるし、簡単です。
●soupeと potageの違い
soupeといえば、以前は深めの皿にパンをとり、その上からトリガラその他の薄いダシを注いだだけのものだった。今でも辞典を見ると、soupeは、potageと比べて漉したりとろみをつけたりなどの手間をかけない簡単なものとされているが、フランス人の間でもその区別がだんだんあいまいになってきているようだ。
●crouton
スープの浮き身にするパンのことをクルトンという。食パンやバゲットを薄く切って、さらにスプーンで食べやすいような大きさに切り分けてから、バター炒めしたり、油で揚げたりしてきれいな焼き色をつける。オーブンの上火でさっと焼いてもいい。スープによっては、焼く前にパンにニンニクをこすりつけたりもする。小袋に入ったクルトンも市販されているが、油くさかったりするので、やはり自分で作りましょう。
●カモの照り焼きで鍋
中華街の各レストランに吊されているおいしそうなカモの照り焼き。〈大〉でも一羽20ユーロ前後で持ち帰りできる。胸肉やもも肉にはみんなの手が伸びるけれど、頭とか首とか骨の多い部分が残ってしまいがち。それなら、そんなところを初めから鍋にとって水を張り、ぐつぐつ沸騰させてダシをとってから、豆腐、白菜、ネギ、青梗菜などを加えて鍋にしよう。芯から体が温まって、引きかけの風邪なんか吹っ飛んでしまう。
●O U T I L|Moules de cuisson en silicone
最近オーブン用のシリコン製焼き型が評判を呼んでいる。シリコンはくっつかないし柔らかいので、焼き上がったケーキなどがスルッと型から外れる。ひっくり返して隅々まで洗える。片づける時も丸められて場所をとらない、など長所だらけ。特にこのMastrad社のものは、手に持つところが固いので、オーブンに入れるときにぐしゃっとならず持ち上げやすい。いろいろな形の型が揃っているから、少しずつ増やしていきたいな。(真)