子チキンの胸肉をセージ風味のソースで。 Blancs de poulet a la sauge

 前回は七面鳥の胸肉を使ったが、今回はやはり手軽に手に入るチキンの胸肉(ささみ blancs de poulet)をソテーし、レモンと香草のセージ風味のソースで味わってみよう。胸肉は皮をはがれてパックになっているもので充分だが、なるべく大きめのものを人数分選びたい。
 レモン1個は、ごしごしこすりながらよく洗ってから皮をおろす。黄色い皮の下にある白いところは残すように気をつけたい。そこまでおろすと苦みが強くなるからだ。大さじ2杯分くらいはとれるだろう。小鍋に水をとり沸騰してきたら、このおろしたレモンの皮を1分ほどゆでてから漉しておく。レモンの本体は搾っておく。
 トリの胸肉の両面に軽く小麦粉をまぶし、余分な粉をはたき落としてから、塩、コショウ。
 フライパンにオリーブ油をとり、胸肉をソテーする。中火。1分ほどできれいな焼き色がついたらひっくり返す。もう1分たったら火を落とす。胸肉の厚さ次第だが、7分前後で火が通るだろう。胸肉だけを取り出し、熱々にしておいた皿に盛り付けておこう。
 フライパンは洗わず、セージの葉4、5枚、白ワイン、レモンの搾り汁、おろしたレモンの皮を加える。酸味が苦手な人は砂糖を二つまみほど加えるといいだろう。ここで強火にし、木のヘラで肉のうま味を溶け込ませるようにしながら半分くらいになるまで煮詰めていく。火を止め、小さく切り分けて冷たくしておいたバターを加え、泡立て器で勢いよく混ぜ合わせる。味を調え、胸肉にかければできあがり。
 付け合わせはバターライスがいちばん。クルジェットをオリーブ油で炒めたものも添えるとさらにいい。もしセージが見つからなかったら、タイムやオレガノの風味を生かしてもおいしくできるし、チキンの代わりに、前回使った七面鳥の胸肉でもいい。ワインはアルザスのフルーティな白はどうだろう。(真)

チキンの胸肉4枚、レモン1個、小麦粉、オリーブ油、セージの葉4、5枚、白ワイン150cc、バター50g、塩、コショウ。


●クルジェットのオリーブ油炒め
 クルジェット(ズッキーニ)は、大きいものは種ができかかっていてスカスカのことが多いから、なるべく小さいものを買ってくる。よく水洗いしてから、3ミリほどの厚さにはすに切っておく。フライパンにオリーブ油をたっぷりとり、押しつぶしたニンニク2片ほどを加え、いい匂いが立ったら、クルジェットを加え、きれいな色がつくまで炒めていく。火は中火。塩、コショウ。最後にタイムを散らせばできあがりだ。

●チキンの胸肉のフライ、パプリカ風味
 ビールのおつまみにうまいチキンのフライだけれど、パプリカ粉で風味を付けると、ひと味違ったおいしさだ。
 まずチキンの胸肉を2センチ幅ほどのひも状に細く切り分ける。これに小麦粉をまぶし、軽くはたいて余分な粉を取りのぞく。丁寧に割りほぐしてからこれを塩、コショウを振り入れておいた卵を通してから、まんべんなくパン粉を付けて、中火で揚げていくのだが、そのパン粉にパプリカ粉をたっぷりと混ぜ入れておくのだ。その揚げ上がりの鮮やかな色合いにみんなビックリだ。

●セージ sauge
 地中海沿岸で栽培されているシソ科の香草。その葉の、ちょっと舌を刺すような苦み、そしてその独特の芳香は古代ローマ時代から愛されていたという。新鮮なもの、あるいは乾燥されたものが小瓶入りで販売されている。子羊肉、子牛肉、トリ肉、ウナギのような川魚、詰め物用の挽き肉などの香り付けに用いられる。ニンニクやタマネギなどとの相性もいいが、とにかく香りが強いので、控えめに使うことを忘れてはいけない。

●Zesteur
 オレンジやレモンの皮zesteをむきおろすための専用小道具。ふつうのおろし器で、レモンを手にとって回しながらおろしていけばいいのだが、この小道具は浅く浅く皮がおろせるようになっているので、皮の裏にある白いところ(ニガイ!)がついてこないから便利だ。皮を細いせん切りにして料理に使う時は、ジャガイモやニンジン用の皮むき器couteau economeで薄く皮をむいてから、鋭利なナイフで細く切っていけばいい。