ブッフ・ブルギニョンを復習してみよう。 Boeuf bourgignon

 寒くなってくると、わが家の食卓にも登場する機会が増えるのが牛肉の赤ワイン煮boeuf bourguignon。フランス家庭料理の中では横綱級の存在だが、材料をきちんと選んで時間さえを惜しまなければ、誰にでも簡単にできる一品だ。
 牛肉はゼラチン質や脂身が適度に混じった肩ロースmacreuse/paleron、股上部肉gite、上部背肉basses-cotesなど、自分の好みのところを4人分として1キロ買ってくる。いずれも煮込み用の肉でキロ12ユーロ前後。さらに味がよくなるように、今回はマリネしてみよう。
 マリネ用に、玉ネギ1個を小さく切り分ける。ニンジン2本は輪切り。ニンニク2片は二つに割って芯をとっておく。オーブン用の陶器製の深皿などに以上の材料をとり、赤ワイン1本(ブルゴーニュの赤はもったいない。あまり高くないコット・デュ・ヴァントゥーなどで十分)を注ぎ、コショウを粒ごと小さじ半杯、丁字2本、ブーケ・ガルニを加える。ここへ、大きく角切りにした肉を混ぜ入れる。この深皿をラップで覆って冷蔵庫に入れる。時々肉をひっくり返したい。少なくとも
3時間マリネしたら肉をとり出し、クッキングペーパーの上にのせて水気を切る。マリネのワインは漉してとっておく。
 ココットのような鋳鉄製の厚鍋に油をとり、小さく切ったベーコン150グラムと輪切りにした玉ネギ2個を入れ、色がつくまで炒めたら引き上げる。今度は強火にして軽く小麦粉をまぶした肉を入れ、まんべんなく炒める。ベーコンと玉ネギを戻し、塩、コショウ。マリネの赤ワインを加え、沸騰したら弱火にし、フタをして2時間半ほど煮込んでいく。あとは、煮上がる15分ほど前に、輪切りにしてあらかじめ炒めておいたマッシュルームを200グラム加えて待つだけ。鍋ごと食卓へ。
 付け合わせはゆでジャガかパスタ、ワインはブルゴーニュやボージョレの銘酒を開けたい。(真)

海の幸のカナッペたち。
 ノエルのパーティーで人気の的、海の幸を使ったカナッペを作ってみよう。

●スモークサーモン

 食パンあるいは北欧風黒パンの薄切りにバターを塗る。隠し味としておろしショウガを少し加えるのも面白い。スモークサーモンをのせ、好きな形に切り分け、イクラや扇形に切ったレモンで飾る。

●燻製ニシン filets de hareng fumé

 作り方は上と同じ。飾りは輪切りにしたコルニション(ピクルス)。

●タラ肝 foie de morue

 缶詰のfoie de morueを利用。食パンにバターを塗り、タラ肝を押しつけるようにしてのせ、レモンを搾りかける。

●南仏風

 あらかじめタイやスズキのおろし身をマリネして、薄く切る。田舎パンにオリーブ油を塗り、できるだけ薄く切ったトマトを置き、魚をのせる。飾りはオリーブでもいいが、おすすめはタプナード。

●料理で使うワイン
 料理にはどんなワインを使ったらいいのだろう? フランス人の間でも意見が分かれている。「エビを炒めて最後にさっと白ワイン振りかける」などという場合は、ワインの香りをきかせたいところなので、それ相応のワインを選びたい。では、今回のような赤ワイン煮だったらどうする? レシピによっては、ブルゴーニュ風なんだからブルゴーニュの赤と指定してあるが、もったいない! 数時間も煮込んだらワインの風味もアルコールもほとんど飛んでしまう。それにもともとは家庭料理だし、ボクは安めの赤で十分だと思っている。経験では、少しコクのあるワインの方がおいしくなるような気がする。お金が余ってしょうがない人は、どんどんブルゴーニュの銘酒を使ってください。
●lardons
 豚の三枚肉を燻製にした日本でいうベーコンlard fumé/ poitrine fuméeを、小さく切り分けたものがlardons。スーパーでlardonsの形になったものも売られているが、一般的に脂身が多すぎるようだ。脂身の加減を見ながらlard fuméを塊で買ってきて自分で切り分けるのがいちばん。これが入ったオムレツはomelette aux lardons、サラダはsalade aux lardons。どちらもあらかじめ炒めてから使います。ちなみに、フランスのbaconは、ロースに近い部分でずっと脂身が少なく、そのままハムのように食べることができる。