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●Scarlet diva
 この作品は、日本風のキャッチコピーをつけるなら、”ある女優の赤裸々な告白” っていう感じ。アジア・アルジェントの監督・主演作だ。彼女はイタリアのホラー映画の巨匠、ダリオ・アルジェントの娘で、女優としては、アベル・フェララ『New Rose Hotel』等に出演、この経験をもとにアベル・フェララについてのドキュメンタリーも撮っている活動派。セックス、ドラッグ、ロックンロールに浸り切った毎日。インターナショナルな女優として国際都市を行き来し、ピュアーでナイーヴな恋もする。強そうで弱く、ふてぶてしそうで純粋で、突っ張った外見と傷つきやすい内面、そんな自分に、これでもかこれでもかとカメラを突きつけて撮った激しく痛々しい映画だ。画質はビデオ撮りで荒削り、でもその分すきなだけカメラを振り回している。(吉)
●Too much flesh
 これも、男優の監督・主演作。ジャン=マルク・バールは『グラン・ブルー』で一世を風靡したが、その後、商業路線に背を向け、ラース・フォン・トリアーに出会い、すっかり彼に傾倒。初監督作品『ラヴァーズ』は、かのドグマ・シリーズの1本として撮られた。『Too Much Flesh』、次の『Being Light』と3本合わせてフリートロジーと名付けられた3部作だ。カメラは、もちろん (?) デジタル・ビデオ、そのハンディさが、そのまま作品の特徴にもなっている。この機材の出現は、21世紀の映画を変えていくようだ。すこぶる封建的なアメリカの田舎を舞台に、性のタブーに挑む男をバールが演じる。共演は、彼の貞淑な妻にロザンナ・アーケット、フランスから来た性に開放的な女にエロディー・ブシェー。(吉)

●Capitaines d’avril
 リスボン、ポルトガル1974年4月。サラザールの後継者が敷く独裁政権に終止符を打つために若手将校たちが起こした無血クーデターを、女優マリア・ド・メデイロスが処女作長編の題材として選んだ。オリヴェイラ、ロシャ、モンテイロなど、ポルトガル映画の古参たちも得たことのない規模の予算が費やされた作品、といえばこの事件がいかに一国の歴史にとって重要かということが見て取れる。いくら史実に基づいているからといってフィクションであるからにはドラマ性をもたせなくてはならない。メデイロスは革命のヒーローのひとりを主人公に、革命の役者たちに生気を与えようとする。歓喜する庶民たちの延々と続く場面など時には退屈に思われるが、結局メデイロス自身の素直な感動がわたしたち観客までを感動させる。(海)