秋のグルノーブルを訪ねた十月十六日の夜

秋のグルノーブルを訪ねた十月十六日の夜、フランスに来て初めてサッカーの試合を観戦することにした。スタジアムからは夕闇に消えていく山々も見え、なかなかいい雰囲気だ。
試合はフランスナショナルリーグのグルノーブル対エブリー。試合開始は夜八時。観衆は約三千人。開始直後はエブリーが攻め込んだが、次第にグルノーブルが主導権を握り始めた。前半は0対0で終わった。後半十分、グルノーブルが一点を先制しスタンドが沸く。グルノーブル優勢で迎えた後半三二分、敗色濃いエブリーがメンバーを交替、「ヒ・デ・モ・ト、ニー」のアナウンスが響いた。「ヒデモト? もしかして日本人選手?」とは思ったが半信半疑。チーム紹介のチラシを見ても、それらしい名前は載っていない。私の単なる聞き違いか、それとも突如彗星のごとく現れた日本人プレーヤー?
彼の登場で試合の流れが変わったのは間違いない。彼が出場した直後、エブリーは同点に追いつき、そのまま試合終了。終了のホイッスルと同時にエブリーの監督・コーチは大きなガッツポーズを見せた。ディヴィジョン2への昇格を目指す二十チーム中、十七位のエブリーが五位のグルノーブルとの一戦を引き分けに持ち込んだのである。地元グルノーブルのファンからはブーイング。
ホテルまで歩いて帰る途中、「あの選手は日本人だろうか?」「ぜひそうであって欲しい。フランスのリーグでも日本人に活躍して欲しい」と思った。
翌朝の地元紙に「グルノーブル、悪夢を見る」という大見出しの記事と共に「エブリーが日本人を起用」の記事があった。「やっぱり日本人だった!」いったいどんな選手だろう。顔も経歴も知らないけれどエブリーはパリのすぐ南の町だから、ぜひ今度応援に行こう。「ヒデモト・ニイ」(新居秀元)、そう、フランスにも「ヒデ」が現れたのだ。イタリア・セリエAの中田英寿を超えろ。頑張れフランスのヒデ!  (滝本昌宏)

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