パリに住み始めて約1年。フランスにはズバリ、就職するために来たという由利子さん。思うようにフランス語が上達していないと感じ、まずは勉強に専念。ソルボンヌ大学文明講座の経済フランス語とパリ商工会議所の試験をパスし、自信をつけてから就職活動を開始した。現在は日系企業で働いている。今年から滞在が1年に満たなくても臨時労働許可証を申請できるようになったとはいえ、こうして1年足らずで企業で働き始めるなんてちょっと例のないこと。その成功の秘訣は?と聞いたら、「仕事を見つけるには、とにかくいろいろなところへ足を運ばないと。探せば見つかります」とのお答えが返ってきた。
この10月からは、ソルボンヌ大学文明講座のセクション・ユニベルシテールの入学試験に合格し、気持ちも新たに経済・ビジネス系の勉強に没頭する毎日。
そんな彼女のフランス語を始めたキッカケというのが面白い。彼女は、日本に3人しかいないという国際エアロビック・ジャッジのうちの1人で、文字通り世界をまたにかけて活動していた。ところが、スポーツ界ではフランス語が幅をきかせていることを痛切に感じ、“英語が世界”と思っていた彼女は一念発起し、フランス語をビジネスレベルまで高めようと始めたのだそうだ。1年前は天気予報ですらよく分からなかった、というのが信じがたいほどに確実に上達しているフランス語のさらなる目標は?「思いっきりケンカしたり、コソコソ話の輪に入っていけるぐらい、言い換えれば、心のなかに入っていけるようなレベルまでいけたらいいなと思っています。あと、時事経済系の同時通訳もやりたいし‥‥」と、どこまでも前向きな由利子さんの目標はとどまるところを知らない。
ひょんなことから40フランで手に入れたオーブンで、近頃はお菓子作りに凝っている。最近ヒットだったのは洋梨のフランタルトとタルトタタン。由利子さん、この次は噂に聞いたチョコレートソースのとろっとしたタルト、食べたいんでよろしく! (里)