Macaroni aux cepes frais
東欧から輸入されていた安めのセープ茸やジロール茸からチェルノブイリ原発事故が原因とみられるセシウムが検出され、スーパーや八百屋の店頭から姿を消した。ではフランスのキノコなら安全なのか?
チェルノブイリ放射能汚染気流はフランスを横切らなかった(きっとドイツやイタリアとの国境で回れ右したのでしょう)などという、信じがたい情報を政府筋の原子力研究所が発表した国だけに疑問が残る。でもその怪しいフランス産セープ茸があまりにおいしそう! 4人分として、中くらいで傘の下のスポンジ体が締まったものを2本だけ買ってしまった。400グラム、35フラン。こんな自殺行為はできない人、子どもがいる人、妊娠している人などは、「原発ハンターイ!」と大声で叫んで、安全なマッシュルームchampignons de Paris を買って帰る。
キノコの石突きをとり、濡れ布巾で丁寧に土をとり、スポンジ体ごとみじん切りにする。フライパンに油をとり、キノコを炒めていく。水気が出てきたら、すかさずコニャック少々と生クリーム大サジ4杯を加える。少し煮詰め、塩とコショウで味を調えたい。ここでミキサーにかけて全体をクリーム状あるいは細かな粒々が残った状態にし、バターを大サジ2杯加えます。ミキサーがなかったらそのままでも構いません。
別にゆでて置いたマカロニ500グラムと混ぜ合わせ、パセリを散らせばでき上がり。コニャックの香りがキノコの風味を引き立てている。これを一品にして、後でチーズやサラダというメニューにしてもいいし、子牛のヒレのソテーやオムレツの付け合わせにも素晴らしい。それにしても、エシャロット入りボルドー風セープ茸を、たっぷり心置きなく食べたいなあ!「原発ハンターイ!」(実)
材料 : セープ茸2本、マカロニ500グラム、生クリーム、コニャック、油、バター、塩、コショウ
●対決! ムース・オ・ショコラ|NESTLE vs DANONE
プリンと並ぶフランスの代表的デザート、ムース・オ・ショコラ。こっちに来たてのころは、あの甘さに辟易としていたのが、今では平気でぺロリと食べれるようになってしまった。でもさすがに、レストランのメニューにムース・オ・ショコラ食べ放題なんていうのを見つけても心がときめいたりはしない。まだまだフランス人の甘いもの好きにはかなわないのです。今回試したのはDanone社から出ているCharles GervaisとNestle社の製品。Charles Gervaisの方はチョコが28%と卵入りで、マッタリとしていてヘビーな甘さが舌に残る。Nestleのはチョコが7.4%と少ないけれど、クリームで泡立ててあって、ずっと軽くて食べやすい。値段も前者が13.20Fなのに対してこちらは9.50F。(フランプリ調べ)もちろんNestleの勝ちです。(章)
●ボルドー風セープ茸
恐いもの知らずで財布に余裕のある人は、中くらいのセープ茸を4、5本買う。これで4人分。濡れ布巾で汚れをとったら5ミリほどの厚さにそぎ切り。フライパンに油とレモンの絞り汁少量を入れ、キノコを加えて中火で炒め煮。これはキノコの余分な水気をとるためで、5分ほどたったらキノコだけ取り出す。
洗ったフライパンに、大サジ2杯のバターと同量の油をとって熱くし、先のキノコを加えて炒めていく。中強火。軽く色がついてきたら、みじん切りにしたエシャロットをたっぷりと加え、塩、コショウし、パセリを散らせばでき上がり。バターとエシャロットのかわりにオリーブ油とニンニクを使った南仏風もうまい。
●ハーブ・スパイス探検
●エシャロット échalote
中近東が起源らしいが、フランスでも中世から栽培されていたエシャロット。形は小さな玉ネギだが、玉ネギとニンニクの中間のような繊細な風味を持っている。ニンニクとはちがってオリーブ油には力負けするが 、バターや生クリームとは仲がよく、ワインともしっくりと溶け合い、肉や魚料理に添えられるさまざまなソースに使われている。ビネガーとの相性もよく、レストランでカキを注文すると、必ずエシャロット入りビネグレットソースがついてくる。エシャロットを使った料理はボルドー発祥のものが多く、ボルドー風 à la bordelaise というと、エシャロットが入る。
●ステーキ用簡便エシャロットソース
ステーキを焼いたばかりのフライパンに残っている脂を捨て、白ワインをコップ1杯入れる。木のヘラでこすりながら底についている肉の旨みを溶け込ませ、みじん切りにしたエシャロット2個を加える。半分になるまで煮詰めたら、生クリームを大サジ2杯加えてグツグツさせ、塩コショウで味を調えればでき上がり。ステーキの上にかけましょう。マスタードを少々きかせるのもうまい。終始強火でサッと仕上げるのがコツ。