Aile de raie en salade
以前「エイがアンモニア臭いのは活きが悪いしるし」と書いたことがあったが、 先日、魚に詳しい人に「それは間違い」と指摘されてしまった。「エイやサメの類は獲れたての方がかえってアンモニア臭が強い。ただ獲れたてはうまくなく、一日以上経ってアンモニア臭が薄れたものを食べたい。少しくらい臭くても、火を通すと匂いは消えてしまう…」
暑い日にもサッパリと食べられる、エイのサラダを作ってみよう。4人分として大きめのエイのヒレをひとつ (500グラムくらい) 買ってくる。
まずクール・ブイヨンを用意する。鍋に水1リットル、ワインビネガー半カップ、せん切りにした玉ネギ半個、塩大サジすりきり1杯、コショウ、そしてタイムを多めに入れて10分ほど沸騰させ冷ましておく。
底の広い鍋にエイをおき、クール・ブイヨンをヒタヒタに注いで火にかける。沸騰したら弱火にし、静かに10分ほどゆでる。ゆですぎるとパサパサになるので注意。こわれないように取り出し、ナイフで引っかくようにして皮をとり、身をさきながら、軟骨からはずす。
赤い葉や縮れ葉などが混じり合ったサラダを用意し、オリーブ油をベースにしエシャロットやパセリのみじん切りを加えたビネグレットソースで和える。ここへまだ温かいエイを入れる。湯むきして小さく切り、さっとオリーブ油で炒めて塩、コショウしたトマト2個を加え、無農薬のレモンの皮をせん切りにしたものを半個分散らす。ケッパーを入れてもいい。全体を大きく混ぜ合わせればでき上がり。タイムの香りがきいた少々もったりとしたエイがとてもうまい。 (実)
材料 (4人分) : エイのヒレ800gほど、サラダ菜、トマト2個、玉ネギ半個、レモン、エシャロット、パセリ、タイム、オリーブ油、ワインビネガー、塩、コショウ
● エイの焦がしバターかけ
この raie au beurre noir という一品は、エイの代表的な食べ方で、レストランのメニューにもよく載っている。作り方は簡単だし、小骨がないので子どもたちにも評判がいい。4人分としてエイのヒレを1キロ買ってくる。右のごとくクール・ブイヨンで10分ほど煮て皮をむき、熱くしておいた大皿に盛り付ける。その上にパセリをたっぷりと散らしレモンを絞りかける。4人分としてバター50グラムほどを鍋にとって熱し、茶色くなりかけたらエイの上からかけます。好みでケッパーを散らすのもいい。付け合わせはゆでたジャガイモ。熱々を食べましょう。ワインはコッテリとしたブルゴーニュの白、アリゴテはどうだろう。
● 焦がしバター beurre noisette
バターをフライパンにとり弱火にかける。明るいキツネ色になってハシバミ noisette の香りがしてきたら beurre noisette。すぐに火からおろし、エイだけでなく、やはりクール・ブイヨンで煮た子羊の脳ミソや魚の白子、あるいはポーチドエッグなどにかけます。もう少し色をつけると beurre noir で、消化にはよくない。ゆでたアスパラガスにもこの香りが合う。
●こんなの見つけた!
ナタデココ一時期日本で大ブームを巻き起こしたナタデココを13区の中華街で見つけた。Expo Store (52 av.Choisy )で9.50F。イカの刺し身のような噛み心地と、涼しげな透明感が特徴だ。見かけはまさしくあん蜜に入っている寒天で、味は意外にさっぱりしている。フィリピン産のデザートです。
ココナツジュースに酢を加えて発酵させるとできる表面の上澄みがナタデココ。低カロリー脂肪分ゼロのダイエット食品として、日本ではバカ売れした。当時フィリピンではナタデココ御殿が建ってしまったほどなのだ。つかの間のブームも去って、パンナコッタにヒットデザートの座を奪われて以来、スーパーの片隅で杏仁豆腐とハンペンのあいだに挟まれてすっかり影が薄くなっている。ナタデココは桃やミカンの缶詰と相性抜群。ただ、冷えてないと魅力半減です。 (章)