同棲・結婚・離婚・再婚・再離婚と忙しい。 N° 417 1998-06-01 今のフランスの若者の大部分は、まず同棲してから結婚を考えるという。従って初産の半数以上は結婚外出産による。異性にかぎらず同性同士の共同生活も現代の風潮となりつつある。 一方、既婚者の半数は離婚し、その後、子持ちの離婚者同士で再婚し複合家庭を築くケースも増えている。彼らは結婚・離婚・再婚・再離婚と、人生の節々を急テンポで送るようになってきているようだ。 法・社会学者テリー女史は、現代人の多様な生き方に対応すべく、夫婦・親子関係・相続に関する改革案を5/4日に提出。 現在、どんな離婚(有責・破綻・同意離婚)も弁護士を要し、 9カ月から1年半はかかり裁判官立会いのもとに審判される。改革案は、子供や財産問題のない同意離婚には司法官は不要とし、離婚届を裁判所書記官に提出すれば、 6カ月後には認可されるという画期的なもの。共同生活が不可能になった場合の破綻離婚も、それに必要な別居期間を 6年から3年に短縮。 多くの場合夫に責任が認められる有責離婚では今日、離別後に妻は前夫へ補償・年金の給付を要求できる。最近テレビで見た例を挙げてみよう。再婚後、後妻との間に子供を持った男性が先妻に年金を払っていたのだが、彼と後妻の自動車事故死で、遺児が父親の先妻への補償・年金の支払いを代行するという例。また男性が再婚後失業し、先妻への年金を後妻が払い続けなければならない例。 法律が “妻との切っても切れない縁”から逃れられないものにしているともいえる。 このような先妻への補償・年金制をテリー女史は時代錯誤と見なし、相続人による先妻への給付代行の廃止と、先妻の再婚・同棲後は給付の停止を提案する。 また同性・異性にかかわらず、共同生活者には婚姻者と同等の社会保障・税制を適用、そして養子縁組を異性同棲者にも認め、婚姻所帯と同一の扱いにするなど、かなり画期的な改革案だ。 さらに親子関係における嫡出子と非嫡出子の違いや、産婦の匿名出産等を廃止し、出生如何にかかわらず子供の人権を尊重し、平等に扱う改革案を含む。 自由を重んじ、人それぞれの生き方を選ぶ現代人。彼らのライフスタイルに対応できる改革案を期待したい。 (君) 同棲・結婚・離婚… 87% 同棲してから結婚を考える 9% 同棲1年後に結婚 30% 同棲 5年後に結婚 20% 一生同棲生活を続ける 12万件 離婚件数 43% 有責離婚 42% 共同申請による離婚 1.5% 破綻離婚 13% 補償・年金付き離婚 *Le Monde 1998/5/15 Share on : Recommandé:おすすめ記事 鎮痛解熱薬ドリプラン製造会社の米への売却に反発沸騰。 レバノン支援会議、パリ開催 EU、不法移民規制強化へ マルチニック、食料品値下げ エアバス、2500人削減へ サイクリスト殺害で男逮捕