ナポレオンのエジプト遠征(1798〜1801)に同行した154人の学者たちはいずれも自然科学、数学、建築学、芸術…などの専門家で、戦況に左右されながらも調査観察作業を続け、数々の標本や資料をフランスに持ち帰った。綿密に描かれたデッサンを見ながら後に訪れる写真発明の偉大さを改めて考えたり、測量や観察道具の精密さに感心したり、標本やミイラと化した珍鳥や魚に驚きながら、明日の生死もわからないまま貪欲に活動を続けた学者たちの情熱に思いをはせる。彼らの冒険と研究の成果である大図鑑 『エジプト描写』のコピー800枚が貼られた廊下は圧巻。シャンポリオンたちによってエジプト学の研究は続けられ、両国の交流は、マルセイユからのんびりパリの植物園までやってきたキリンや、特製の船に乗って運ばれたオベリスクに象徴されるように、友好的に深まっていく。 (海)
*Museum National d’Histoire :
Jardin des Plantes 5e
7/6日迄 (10〜18h 木/10〜22h 火休)
20/30F
● Eugene DELACROIX (1798-1863)
生誕 200年に際し開催される主な展覧会
<ショパンとジョルジュ・サンド>
1838年に描かれ、画家の死後ルーブルとコペンハーゲンの美術館に分かれていた未完の傑作が一つに。 6/1日迄 (火休)
ルーブル美術館・リシュリュー翼
<ロマン派の描線>
ハムレットやファウストのオリジナル石版16点を含む版画を中心にデッサン、水彩約 250点。7/12日迄 (月休)
国立図書館 : 58 rue de Richelieu 2e
<コンデ美術館コレクション>
モロッコ旅行のクロッキー帳など門外不出の絵画、デッサン、水彩。
Musee Conde Chateau de Chantilly :
60631 Chantilly 7/20日迄 (火休)
<ドラクロワとヴィヨ>
創作を示唆しあった画家・版画家・エッセイストFrédéric VILLOT との30年の友情から生まれた作品。7/31日迄 (火休)
Musee Eugene Delacroix :
6 rue de Furstenberg 6e
<新ロマン派の誕生>
ジェリコーとドラクロワを対照する 200点。7/15日迄 (水〜月10h-18h)
Musee des Beaux-Arts :
Square Verdrel 76000 Rouen
<ドラクロワの生家>
画家が生まれ育ったパリ郊外18世紀の館。内装も新たに当時を再現する。作品はない。6/28日迄(水〜日13-18h)
Mediatheque Eugene Dlacroix : 29 rue du Marechal Leclerc 94410 St-Maurice M:Charenton-Ecoles
● Antoni TAPIES<近作>
バルセロナでの紙の作品大回顧展に呼応し、紙にこだわった近作。5/20日迄
Galerie Lelong : 13 rue de T刺屍an 8e
● PANAMARENKO<オブジェ>
1940年アントワープ生れ。60年代後半から詩的なオブジェを生み出してきた作家の近作 “空飛ぶ円盤”、 69〜71年制作の模型飛行機シリーズ、デッサン30点。
5/31日迄 (12h-20h月休)
Fondation Cartier : 261 bd Raspail 14e
● Francesca WOODMAN <写真>
上記のパナマレンコと同時期、同会場で行われる。1981年22才で他界した米女流写真家の幽玄なショット100点。
Fondation Cartier
● Michel HAAS<1977〜1997>
1934年パリ生れ。フォルムを素材に嵌め込む特異な画家、20年の軌跡。初回顧展。5/30日迄 (11h-18h 火祭休)
Musee Maillol : 61 rue de Grenelle 7e
●ブロカール刺繍展
マリー・アントワネットのドレスからナポレオンの戴冠式の服まで、18世紀以来国宝として残る刺繍を手がけてきたブロカール工房のコレクション。 5/21日迄
Couvent des Cordeliers:
15 rue de l’Ecole-de-M仕ecine 6e (11h-19h)