Harry dans tous ses etats N° 409 1998-02-01 ウディ・アレンの作品は彼自身の心の葛藤や経験に基づいていることが多い。この新作は彼自身を回顧し分析しているという意味で、今までの彼の作品の集大成になっている。 流行作家ハリー(アレン)は、自分自身の恋愛や家族のことなど、すべてを作品の題材にしてきたが、創作意欲をなくしてしまう。そこで自分の過去と作品を回想し始める。 みながいうようにハリーはアレン自身で、ハリーの回想はアレン自身の体験に基づいた空想と創造の世界なのだが、ナルシズムともとられがちな「私的な話」を諧謔的に処理するアレンの手腕のすごさに感心してしまった。 (海) Share on : Recommandé:おすすめ記事 【第18回キノタヨ現代日本映画祭】映画を介した日仏の文化的対話へ。名優・役所広司の特集上映も。 【シネマ】ショーン・ベイカー『Anora』公開。『プリティ・ウーマン』への30年後の返答。 【Cinéma】根源的な映画の喜び、オディアールの新たな代表作『Emilia Perez』。 【シネマ】70年代日本のウーマンリブを語る『30年のシスターフッド』。上映とトークの会(無料) 話題の政治劇 『クレムリンの魔術師』ベストセラーが舞台に! 【シネマ】円熟の秋のミステリードラマ 『 Quand vient l’automne 』