Harry dans tous ses etats N° 409 1998-02-01 ウディ・アレンの作品は彼自身の心の葛藤や経験に基づいていることが多い。この新作は彼自身を回顧し分析しているという意味で、今までの彼の作品の集大成になっている。 流行作家ハリー(アレン)は、自分自身の恋愛や家族のことなど、すべてを作品の題材にしてきたが、創作意欲をなくしてしまう。そこで自分の過去と作品を回想し始める。 みながいうようにハリーはアレン自身で、ハリーの回想はアレン自身の体験に基づいた空想と創造の世界なのだが、ナルシズムともとられがちな「私的な話」を諧謔的に処理するアレンの手腕のすごさに感心してしまった。 (海) Share on : Recommandé:おすすめ記事 【シネマ】イラン人監督の本年度を代表するフランス映画。 【cinéma】パレスチナの人が何を感じているのかを、人間的な視点から知りたかった 〜『手に魂を込め、歩いてみれば』 新作能『長崎の郵便配達』 【シネマ】 カンヌでグランプリ受賞、ヨアキム・トリアー監督『Valeur sentimentale』公開中。 【シネマ】ムーラン・ルージュの風車のテラスで上映会「Cinéma sur le toit」 【シネマ】マルセル・パニョルの再評価は続く。