
『Nouvelle Vague』に出演のジョディ・ルット=フォレスト(Jodie Ruth-Forest)さんインタビュー
5月17日の夜、カンヌ映画祭コンペティション部門の話題作『Nouvelle Vague』の公式上映があった。映画を革新させたジャン=リュック・ゴダールの初長編作品『勝手にしやがれ』の撮影の舞台裏が、史実に基づいて描かれる。監督はフランス贔屓のアメリカ人リチャード・リンクレイターだ。
公式上映の熱気も冷めやらぬ翌日、シュザンヌ・シフマン役で出演を果たした俳優のジョディ・ルット=フォレスト(Jodie Ruth-Forest)さんに映画祭の会場でお話を聞いた。
—–シュザンヌ・シフマンさんはどんな人物ですか。
ジョディ:トリュフォーやゴダールらヌーヴェル・ヴァーグの仲間と親しかった映画の協力者です。トリュフォーの『終電車』では脚本も担当。様々な立場で制作に携わり、のちに自分でも映画を撮りました。一般的に知名度は高くないですが興味深い方なので、この機会に知ってもらえると嬉しいです。

—–どのように演じましたか。
ジョディ:監督がシフマンさんの60歳の頃の動画を送ってくれたので、それを見て特徴を掴みました。私は普段はテンポが早い人間ですが、彼女は低い声で落ち着いて話す人。また、煙草を吸う練習をしたり、ショートカットのウィッグも付けました。
—–映画『Nouvelle Vague』の感想を教えてください。
ジョディ:とても客観的には見られませんが、大好きな映画です。公式上映中はたくさんの笑いが起きていました。軽やかなコメディタッチも良いところ。衣装から化粧、背景に至るまで、1959年の当時が綿密に再現されてます。

—–リチャード・リンクレイターはどんな監督でしたか。
ジョディ:寛大で人間味があって謙虚と、欠点を見つけられないほど。今回、ジーン・セバーグ役のゾーイ・ドゥイッチ以外はほぼ無名の俳優が選ばれましたが、ヒエラルキーを作ることもなく、若い俳優を信頼してくれました。「君はどう思う?」と意見を尊重してくれたり、演技の自由を与えてくれたのです。ただし、稽古はしっかりとやりました。たとえ即興に見えるシーンでも、一語一句、全てしっかりと書かれた台詞なのです。
—–公式上映はいかがでしたか。
ジョディ:みんなで美しく着飾って、魔法のような時間でした。レッドカーペットは想像していたよりずっと短かかったですが(笑)。公式上映は11分のスタンディングオベーション。すぐ前にタランティーノ監督がいて、紹介され、握手もしました。映画を気に入ったようで、見るのは2回目だと言ってました。

—–あなたのお仕事について教えてくれますか。
ジョディ:これまで約20本の短編や、TF1のTVドラマ『Plus Belle La Vie, encore plus belle』に出演しました。舞台の出演も多いです。子供向けや病院や介護施設にいる人のための演技アトリエもしています。また、歌も自分で作って歌います。映画は14歳の頃からの夢なので、これからも出演していきたい。私は1年半前に「昔の時代が舞台の映画で役がもらえますように」と「ビジョンボード(夢や願い事を視覚化するボード)」に書いて、努力をしながら願い続けたら、今回、夢が実現しました。夢を叶えたい皆さんに、ビジョンボードはお勧めです」。(聞き手:瑞)
★映画『Nouvelle Vague』はフランスで10月8日公開予定

★ジョディさんSNS
インスタグラム www.instagram.com/jodie.ruthforest/
公式サイト www.jodieruthforest.fr
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