Carré de porc rôti
行きつけの豚肉屋に、骨付きのロース肉のかたまりが置いてある。ふつうより大きめで皮下脂肪も4センチくらいはありそうだ。「丁寧に穀物で育てられた農家産です」。今晩ちょうど友だちカップル二組が来ることになっている。2キロ買ってオーブンでローストすることにした。「120度の温度で5時間ほどかけて焼いてみてください」と言いながら、骨を半分ほど切り出し、皮に格子状に深く切れ目を入れてくれた。そういえば、最近は、レストランでも羊肉のかたまりなどを低温で長時間かけて焼いて出す店が増えているのだ。
全体に塩とコショウとタイムの葉を振りかけ、手でこすりつけ、ラップして冷蔵庫に入れておいた。2、3時間たったら冷蔵庫から出し、さらに30分たったら、かたまりがすっかり入る大きめのココット鍋に油をとり、肉を入れて何度かひっくり返しながら、全体に軽く焼き色をつける。
そのココット鍋に、大きく切り分けた玉ネギ、輪切りにしたニンジン、押しつぶしたニンニク、セージの葉を加え、フォン・ド・ヴォーを入れ、皮の方を上にして、ふたをしないで、120度で熱くなっているオーブンへ。
途中、1時間おきくらいにひっくり返し、フォン・ド・ヴォーをかけ回すことを忘れてはいけない。それが煮詰まりそうになったら、水少々を足してやるといい。
5時間たつと、皮にはあめ色の焼き色がついて、自分でも信じられないくらいの美しいローストになった。大きな網じゃくしを使って、まな板の上に慎重にとり出す。アルミホイルで覆って10分ほど待つ。その間に、肉のうま味が溶け込んだ焼き汁の表面に浮かんだ脂と野菜やニンニクをとり除き、塩、コショウで味を調え、ソース入れに移す。食卓で肉を切り分けると歓声が上がるだろう。その肉の柔らかいこと! 脂身は口の中で溶けるようだ。付け合わせはマッシュポテトが一番。(真)
6、7人分:豚の骨付きロース2kg、玉ネギ1個、ニンジン1本、ニンニク3片、セージの葉適量、タイムの葉適量、フォン・ド・ヴォー300cc (市販の粉末フォン・ド・ヴォー小さじ1杯を水で溶いたもの)、油、塩、コショウ
*肉が残ったら、薄く切ってラーメンやうどんに入れると最高!