
1930年代に欧州の学者がナチスやファシズムを逃れて米国に渡ったのと同じことが逆方向で起きるのか?南仏のエックス=マルセイユ大学(AMU)は7月18日、米国の研究者31人を9月の新学年から迎えると発表した。AMUは、トランプ米政権の研究職・研究費削減策のために国外移住を希望する研究者を受け入れることに積極的で「Safe Place for Science」計画を発足。約300人の米研究者の応募があった。受け入れの決まった31人は人文科学、生物学、伝染病・免疫学、宇宙など多分野の教授クラスかシニア研究員。仏ではマクロン大統領が1億€の受け入れ予算を提示したほか、EUも米研究者受け入れのために今後2年間で5億€の予算を組んだ。AMUのほか、トゥールーズ、パリ=サクレー大学も受け入れに前向きだ。しかし、仏の研究予算は過去2年で15億€削減されており、今春も学生や研究者が抗議運動を展開したばかり。
