◆ もはや町の象徴、ポンピドゥー・センター・メッス
◆ 紆余曲折を経て進化し続ける
文化の地方分権を目指し、2010年に、誕生したポンピドゥー・センター分館。コレクションは持たず、企画展のみで、構成する。ビルバオ・グッゲンハイムのような地域経済の活性化も期待されたが、近年は年間入場者30万人前後と低空飛行気味。だが今月末まで開催のフェルナン・レジェ展は堅調な客足。同館館長のエマ・ラヴィーニュは「有名作家だけでなく実験的で予想外の展示も実現する」と意欲的だ。
◆ 今秋から大規模な「日本」特集
2017-18年の展示テーマとしてポンピドゥー・メッスが選んだのは「日本」。来年1月8日までは戦後の日本建築と都市計画に焦点を当てた「Japan-ness」展。 10月20日から来年3月5日まではモードやデザイン、漫画などを通し1970年以降のビジュアルアートに切り込む「Japanorama」展。来年1月20日から5月14日までは、京都のアーティスト集団「Dumb Type(ダムタイプ)」の仕事を紹介する。
Centre Pompidou-Metz : 1 parvis des Droits-de-l’Homme 57020 Metz
www.centrepompidou-metz.fr
◆ 門外不出の町の財産・ステンドグラス
メッスは個性豊かなステンドグラスが鑑賞できる町。
シャガールやコクトーの作品は、遠方からでも訪れる価値がある。
◆ サン・テティエンヌ大聖堂
1220年から約300年かけて建立されたゴシック様式のカテドラル。身廊の高さ42メートル。欧州最大級の6500m2のステンドグラスは「神の
ランタン」の異名を持つ。14世紀のヘルマンから20世紀のジャック・ヴィヨン、マルク・シャガールに至るまで、時代を超えた芸術家による光の競演。
Cathédrale Saint-Etienne : Place d’Armes 57000 Metz
◆ サン・マキシマン教会
12〜15世紀にかけ建立。1960年代に制作されたジャン・コクトーのステンドグラスは町の財産。コクトーが死の1年前に構想したデザインから制作されたため、残念ながら本人は完成を見ていない。青や緑、紫などを基調としたパステルカラーで優しいイメージ。モチーフは星や鳩や植物、獣人など。
Eglise Saint-Maximin : 61 rue Mazelle 57000 Metz