Salade aux fruits de mer
7月に入ると、moule de bouchotと呼ばれるムール貝が出まわる。そのうまさを生かした海の幸のサラダだ。ゆでエビ、あざやかなオレンジ色をしたコダラのおろし身のくん製、ハドックも買ってくる。
まずムール貝の下準備。貝からはみ出ているひげのようなものbarbeをひき抜く。大きなボウルに貝を入れ、ひたひたに水を入れ、貝どうしをこすり合わせるようにしながら洗ってパソワールにあける。同じ作業を数回くり返す。 ソトゥーズか大きなフライパンに白ワイン1カップとその半量の水を加え、パセリの茎とローリエの葉を入れ、コショウをひき入れ、中強火にかける。沸騰したら弱火にし5分ほど火を通し、パセリとローリエをひき上げる。中強火に戻して沸騰してきたら、ムール貝を重ならないように加え、ふたをする。しばらくたったらふたをあけてみて、貝が開いているようなら、すかさず網じゃくしでとり出す。この作業を3回くらいに分けておこなう。冷めたらむき身にする。
ゆでエビは頭と殻をとり、大きかったら二つか三つにそぎ切りにする。
ハドックを底広の鍋にとり、牛乳と水を半々に、ひたひたになるように加え、中火にかける。沸騰してきたら弱火にして15分ほどで火が通る。冷ましてから皮と骨を丁寧にとりのぞいて大きめにほぐす。
シャルロット種などのジャガイモを皮ごとゆでる。ペティナイフを刺してみて、すっと通ってすっと落ちるようになったらとり出し、冷まし、皮をむき、1センチほどの厚さに輪切り。サヤインゲンは歯ごたえが残るようにゆで上げ、切り分ける。トマトは湯むきしてから半分に切り分け、7ミリほどの厚さに半月切り。玉ネギはできるだけ薄く輪切り。マヨネーズ(自家製だったらベスト)にマスタード少々、レモンのしぼり汁とムール貝の煮汁をそれぞれ大さじ1杯ほど加えて混ぜ合わせておく。
サラダボウルに野菜を入れて混ぜ合わせ、海の幸、マヨネーズを加え、やさしく混ぜ合わせたら、シブレットをたっぷり散らすことにしよう。(真)
4人分:ムール貝1kg、ゆでエビ500g、ハドック300g、ジャガイモ中4個、トマト2、3個、サヤインゲン250g、玉ネギ半個、白ワイン200cc、パセリの茎4本、ローリエの葉1枚、シブレット適量、レモン、牛乳、マヨネーズ大さじ4杯くらい、マスタード適量、コショウ
Moule de bouchot
フランスでのムール貝の主な養殖地はブルターニュ地方やノルマンディー地方で、ムール・ド・ブショと呼ばれる。ブショというのはムール貝養殖用のカシの木やクリの木の支柱のことで、潮が引くと水中から現れるようなところに打ち込こまれ、その樹皮にムール貝の種がうえつけられる(写真)。そこで、ムール貝の下準備は、殻からバルブというひげのようなものをひき抜くことからはじまる。オランダやアイルランド産のムール貝より小さめだが、オレンジ色がかった身は味わいが深い。モン・サン・ミシェル産のものが名高い。
Pâtes aux moules
ムール貝の煮汁がもったいな~い!それなら、ムール貝を2キロにし、白ワインと水をやや多めにし、今回のレシピのごとく煮る。むき身の半分は上のレシピ用、残りの半分はとっておく。煮汁は砂などが入らないようにこす。レシピに使ったエビの頭と殻を鍋にとり、ムール貝の煮汁を加える。水をひたひたになるように足し、マッシャーなどで頭と殻を押しつぶし、パセリ少々も入れ中火にかける。沸騰したら火を弱め、ときどき押しつぶしながら10分ほど火を通す。こしてから器に入れ、とっておいたムール貝のむき身を入れ、冷蔵庫へ。
翌日とか翌々日がムール貝のパスタの出番だ。ムール貝とだしは1時間前に冷蔵庫から出す。フライパンやソトゥーズにバター50グラムをとって中火にかけ、とけたら小麦粉を同量とり、木のへらでポマード状になるまで混ぜ合わせ、火から下ろす。ここへだしと牛乳合わせて半リットルちょっと、少量ずつ、泡立て器で混ぜ合わせつつ加えていく。全体がなめらかになったら火に戻し、再沸騰したらムール貝を入れ、塩とコショウで味を調える。頃合いよくスパゲッティなどをゆで上げ、各人の皿にとり分け、ムール貝ソースをかけ、パセリを散らす。