Rouget barbet
ヒメジは、フランスでは地中海、大西洋沿岸のあまり深くない砂底に生息する朱色が美しい小さめの魚で、淡白な白身に深い味わいがある。フランスでは高級魚の一つで、魚の肝はほとんど食べないフランス人も、この魚の肝だけは好物の人が多い。2本の長いあごひげがあって「barbet」という呼び名になるのだが、このひげが感覚器で、砂の中の小ガニや小エビを探りだして食べている。フランスの調理法としては、から揚げ、フライパンで塩焼き、エスカベーシュ(南蛮漬け)、包み焼きなど。カルパッチョもおすすめだ。
Rouget barbet poêlé
ヒメジは、シンプルにフライパンで焼くとそのおいしさが生きる。魚屋に頼んで、頭を残して、うろこをとってはらわたを抜いてもらうのだが、肝は持ち帰る。その肝を腹の中に戻し、両面に軽く塩、コショウ。塩は粗塩や塩の華にしたいところだ。フライパンで焼くのだが、テフロン加工のくっつかないフライパンなら、オリーブ油をさっと敷いて中火にかけ、それが熱くなったら魚を入れ、5分くらいで焼き色ががついたらひっくり返し、もう5分ででき上り。ふつうのフライパンを使うのなら、皮がはがれないように、軽く小麦粉をまぶした方がいいだろう。付け合わせは、バターライスやゆでジャガ、あるいはオーブンで丸焼きしたトマト、夏だったらラタトゥイユなどがおすすめだ。レモンを添える。
Pince à arêtes
おろし身の中央に並んでいる小骨を除くには、毛抜きだと先が小さすぎて骨がうまくつかめないので、やはり専用の骨抜きがほしい。おろし身の頭があった方から、小骨を指で探り当てながら、一つずつ抜いていく。身がくずれないように、イラストのごとく小骨の脇に指を添えて、さっと引き抜くのがコツだ。5ユーロくらいから。