Amandine
だいぶ前に 「パン屋さんのふつうのお菓子たち」という特集をやったことがあって(507号)、このアマンディーヌも登場する。「数あるタルトの中でも元祖といえばアマンディーヌ。シュクレ生地にアーモンドクリームを詰め、スライスアーモンドを散らして焼きあげた黄金色のタルトだ。1638年に菓子職人ラグノーが考案(お菓子の中でも最年長)…」
パン屋のアマンディーヌは一人分の小さなものだが、今回はふつうのタルトの型で大きく焼いてみた。まず砂糖多めのパイ生地 pâte sucréeを用意する。ボウルに小さく切り分けたバターを入れ、室温に置いて柔らかくする。砂糖を加えてバターと練り合わせたら、卵黄を混ぜ入れる。ここで小麦粉と塩少々を加え、指先を使いながら混ぜ合わせ、全体がそぼろ状になったら、水を加え、軽くこねながら玉にする。こねすぎないことが大切だ。ラップでくるんで1時間ほど寝かせておく。
次はアーモンドクリーム作り。生地同様にバターを柔らかくし、砂糖と練り合わせ、割りほぐした卵(白身もいっしょに)を加えて、泡立て器で勢いよく混ぜ合わせる。このときにラム酒少々を加えると味わいが増す。最後にアーモンドパウダーを混ぜ入れる。
調理台やテーブルに少し多めに小麦粉を振って、生地をめん棒で3、4ミリほどの厚さに円く伸ばす。これをバターを薄く塗った直径28センチの型におさめるのだが、こわれやすい生地なので慎重に扱いたい。底をまんべんなくフォークで突っつき、アーモンドクリームを均一の厚さになるように加え、180度で熱くなっているオーブンの下段に入れる。15分たったら、スライスアーモンドをたっぷり振りかけ、あと10分から15分の辛抱だ。表面にきれいな焼き色がついたらでき上がり。少し冷ましてから味わいたい。
食後のデザートにもいいけれど、午後のひととき、熱々の紅茶を飲みながら、というのが一番だ。(真)