八百屋に、今が旬の、10センチ以上の細長いサヤに包まれたソラマメfèveがうず高く積まれている。キロ4ユーロ前後だけれど、サヤから出し、さらに薄皮をむくと20%以下の重さになってしまうのだから、なかなか高価な食材だ。
一番のおすすめは塩ゆで。豆が新しいかどうかによってゆで時間は変わるけれど、2、3分。さっと塩を振って、薄皮をむきつつ味わえば、エダマメといい勝負のビールのつまみになる。マグレブの人たちも塩ゆでにしてクミンパウダーを振って味わう。日本では、ソラマメはお多福豆や甘納豆にされることが多いけれど、豆の自然の甘さを大切にしたいものだ。昆布、酒、塩少々を加えて水加減をし、いつものように炊飯器で米を炊く。炊き上がる8分前くらいに薄皮をむいた生のソラマメ適量を加えれば、彩りもきれいなソラマメごはん。
鶏肉と和えてもうまい。鶏のささみを酒蒸しにし、細く切り分ける。ちょっと大変だけれど、ゆで上げた豆の黒い筋に爪を立て押し出すようにしながら薄皮をむき、鶏肉と混ぜ合わせ、ゴマ油少々を垂らした三杯酢などで和えれば、初夏らしい一品になるだろう。(真)
*和えもの4人分でサヤつきソラマメ1kgは必要。