第2次外出禁止令の発効を前に、各分野の措置が10月29日に関係閣僚から発表された。ルメール経済相は、コロナウイルス感染第1波、ロックダウン以降、弱体化した商店、企業などに対して「前回のロックダウン時よりも強化した」支援策を明らかにした。
●連帯基金の再開
政府の決定により休業を余儀なくされた企業・商店はすべて、最高1万ユーロまでの補償金を受けられる。以前は従業員10人までの企業が対象だったが、今後は50人までの企業と、対象を拡大した。
●社会保険料免除
政府の決定により休業を余儀なくされた、従業員50人未満の企業は社会保険料全額免除。休業しなくても売上が50%以上減少した観光・イベント関連の企業も同様。
●銀行融資への政府保証
当初の12月末までを半年延長し、来年6月末までとする。第1回目の返済期限は融資の1年後であるが、この返済が不可能な企業にはさらに1年の猶予を与える。利子は最高1~2.5%までで、全額返済期限は6年まで。
●政府の直接融資
政府保証の銀行融資を受けられない企業については、10人未満の企業には1万ユーロまで、10~50人の企業には5万ユーロまで政府の直接融資を受けられる。50人を超える企業は3ヵ月分の売上までの融資が可能。(予算5億ユーロ)
●企業の家賃の一部を放棄する賃貸人に税控除
休業を余儀なくされた、あるいはホテル・カフェ・レストラン・文化関連の250人未満の企業が対象。今年10月~12月の家賃のうち少なくとも1ヵ月分の家賃徴収を放棄する賃貸人(家主)に、放棄した家賃の30%と同額の税額控除を行い、賃貸人の家賃放棄を促す。
●デジタル化への資金援助
小規模の商店などにインターネットのサイトを設けるための資金を援助する。サイト上でのクリック&コレクトなどで受注を可能にし、テイクアウト、デリバリーなどを促進する。
以上のような経済支援策は1ヵ月で150億ユーロかかる見込み。内訳は連帯基金60億ユーロ、継続される一時的失業への給与補償に70億ユーロ、社会保険料免除と家賃放棄への税控除にそれぞれに10億ユーロずつ。(し)