大統領選まで1ヵ月、迷走する左右両陣営。

3月2日発売ル・ポワン誌の表紙。

大統領選挙を1ヵ月後に控え、候補者たちの周辺は目まぐるしく変化している。最後にはだれが微笑むのか?

右派・中道は、1月25日にフィヨン候補の妻ペネロープさん架空雇用疑惑が発覚してから暴風圏に入ったままだ。フィヨン候補は当初、「被疑者扱い」になったら大統領選から降りると宣言。しかし、予備捜査の結果、2月16日に検察が訴追放棄の可能性はないと発表すると、フィヨン候補は前言を翻した。捜査を委ねられた予審判事から3月15日に召喚されたことを1日に明かしたフィヨン候補は相変わらずメディアと司法を非難しつつ立候補を固持。その傲岸な態度に、選挙参謀が相次いで辞任したほか、共和党の重鎮や多数の議員がフィヨン支持を撤回した。いよいよ候補取り下げかとの憶測も飛んだが、6日、ジュペ元首相が立候補しないと再表明し、共和党政治委員会もフィヨン支持を表明してプランBは消えた。候補者最終リストの公表が21日に迫っている現在、他の候補を立てるのは難しい。

次期大統領の呼び声の高かったフィヨン候補の凋落で思わぬ恩恵を被るのは、ルペン国民戦線党候補と前経済相マクロン候補だろう。前者には右派支持者のうち右寄りの有権者の票が流れるだろうし、穏健派はマクロン候補のリベラルな経済政策に惹かれそうだ。2月23日には中道Modemのバイルー氏が候補を取り下げてマクロン候補についた。左派予備選で敗れたエコロジスト、リュジ氏も社会党左派アモン候補を嫌ってマクロン陣営に加わった。

アモン陣営には、2月下旬に立候補を取り下げたヨーロッパ・エコロジー=緑の党の公認候補ジャド氏が25年後の原発廃止など環境保護政策で合意を取り付けて加わった。しかし、現社会党政権に反旗を翻したアモン候補は右派弱体化の好機に党をまとめることができず、党リベラル派の中にはマクロン支持に流れる者も。

3月6日付レゼコー紙が掲載した世論調査では、第1回投票ではルペン27%、マクロン24%、フィヨン19%、アモン15%、メランション11%。決戦投票ではマクロン候補が60%で勝利という。しかし、左右の予備選で世論調査はあてにならないことが証明された。フィヨン氏が11月に右派公認候補になった時点でこんな展開を予想した人がいただろうか?(し)