メッス、 歴史探訪。

モーゼル川に浮かぶタンプル・ヌフ (新寺院)はドイツ皇帝の置き土産。

 フランス北東部に位置し、ドイツ、ベルギー、ルクセンブルクの国境に近いロレーヌ地方のメッス。2010年5月には美術館分館の先駆け的存在であるポンピドゥー・センター・メッスが誕生し、注目を集めた。坂茂とジャン・ドゥ・ガスティーヌ設計の白い中国帽を模した建物は一見の価値がある。今秋から日本に関する大規模な展覧会が開催されるので、絶好の探訪の機会だろう。

 だがメッスはポンピドゥー・センターだけを見てUターンするには惜しい町。玄関口となる駅舎は、今年「フランスで最も美しい駅」に選ばれた。自慢の駅舎を抜けると、歴史がモザイク画のように組み合わされた町が広がる。ガロ=ロマン時代の遺跡も豊富で、中世には要塞都市として栄えた。近代以降はドイツとフランスによって交互に併合された過去も持つ。だからフランス王とドイツ皇帝のふたつの権力の痕跡が町に刻まれている。大聖堂のシャガール、教会のジャン・コクトーのステンドグラスも必見。「光と庭園の町」としても名高く、夜は建築物がライトアップされ幻想的な表情も見せる。ポンピドゥー・センターで現代アートを鑑賞した後は、多様な顔を持つ「その先のメッス」を堪能してみよう。(瑞)

取材と文:林瑞絵 写真:市川知穂

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