
ロスタンが精魂込めて作り上げたこの館は、現在フランスの文化省から 「歴史的建造物」に指定されている。
Villa Arnaga – Musée Edmond Rostand
世界的に有名な戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』の作者であるエドモン・ロスタンは、若くして肺の病気に苦しめられていた。そんな彼が療養のために家族とともに1900年に訪れたのが、バスク地方の温泉地であるカンボ=レ=バン。澄んだ空気とクオリティーの高い温泉で知られていたこの地に惚れこんだ作家は、パリでの暮らしをあっさり捨てて、カンボに邸宅を構えることに。

おしゃれな服を着こなす美男子ながら、どこかメランコリックなロスタン。気のせいか、鼻は少し大きめ?
Edmond Rostand au costume pied de poule – photographie de Maurice-Louis Branger © Villa Arnaga – Musée Edmond Rostand / Cambo-les-Bains
方々を探し回った末にロスタンが住まいとして選んだ地は、四方をピレネー山脈に囲まれた丘の上だった。両脇を流れる川のひとつは「アラガ」といって、バスクの言葉で 「石の場所」という意味。邸宅につけられた「ヴィラ・アルナガ」という名前は、その川からきている。
1903年から1906年の間に作られた邸宅と庭園は1962年から美術館として一般に公開されており、年間約9万人の人々が訪れる。美術館のすぐ近くにある湯治施設から散歩気分で訪ねてくる人もいれば、一般の観光客、中には、ニュージーランドや韓国など遠方からやってくる熱心なロスタン愛好者もいるという。

Villa Arnaga - Musée Edmond Rostand
Adresse : Route du Docteur Camino, 64250 Cambo-les-Bains , FranceTEL : 05.5929.8392
