イタリア紀行 – L‘heure italienne

Raphaël-Madone de Lorette©RMN‐Grand Palais (Domaine de Chantilly)/Harry Bréjat

 アミアン、シャンティイ、ボーヴェ、コンピエーニュの4つの美術館ほか、オ・ドゥ・フランス地域圏の10の美術館で、14世紀から18世紀までのイタリア美術展が開かれている。

タイトルの「イタリアの時 / L‘heure italienne」は、アメリカの作家、ヘンリー・ジェームズが40年にわたってイタリアについて書いたエッセイ集 『Italian Hours』(日本語題名『郷愁のイタリア』)からとったものだ。イタリアを愛したジェームズと、イタリア美術を愛したこの地のコレクターたちの思いが重なる、憎い仕掛けだ。ピカルディーに質の高いイタリア美術品が多いのは、地元のコレクターたちのおかげである。展覧会は地元の所蔵品だけで構成された。

Ambrogio BEMBO-Saint Julien(Saint Georges?)1445-¬1446 ©Studio Sébert

重要なのは、アミアン、シャンティイ、ボーヴェ、コンピエーニュの4つの町の展覧会。アミアンが14世紀と15世紀のイタリアン・プリミティフ、シャンティイが16世紀のルネサンス、ボーヴェが17世紀の写実主義とバロック絵画、コンピエーニュが18世紀のバロック絵画と新古典主義だ。

アミアンのピカルディー美術館では、絵画22点を展示している。数は少ないが、味わいがある作品が多い。聖ジュリアン像には、現代の作と言われても不思議ではないような近代性がある。面白いのは、当時のイタリアの画家たちがどうやって制作していたかを再現して見せるビデオだ。板に下準備をして下絵を描き、金箔を施して・・・と、手間のかかる作業を繰り返していたことがわかる。

シャンティのコンデ美術館にはラファエロの傑作「ロレートの聖母」がある。幼子イエスが自分のベールにじゃれつくのを見るマリアから、静かな威厳と慈愛が感じられる。

ボーヴェでは、オワーズ美術館(MUDO)と、タピスリー美術館を改装し、現代美術センターになった〈カドリラテール / Le Quadrilatère 〉の2カ所で開催。ジョヴァンニ・マルティネリが描いた「スザンナと長老たち」では、水浴中のスザンナに横恋慕した長老の一人の手が今にも胸に届こうととする瞬間、ハッとしてセクハラの相手の顔をしっかり見すえるスザンナの表情がいい。

ひと夏、パリから電車で行ける町を旅しながらでイタリア気分に浸るのもいいものだ。ボーヴェの2会場は無料。(羽)

Heures Italiennes
〜Un voyage dans l’art italien des Primitif au Rococo 〜
以下のサイトで「イタリアの時」全展覧会の情報をまとめて見ることができます。
https://heuresitaliennes.com/

主要4都市の美術館

【Amiens】 
⚫︎Musée de Picardie:  
48 rue de la République 80000 Amiens (7/2迄)
www.amiens.fr/vie-pratique/culture/musees/informations-pratiques/informations-pratiques.html

【Chantilly】

⚫︎Musée Condé: 
Château (Domaine) de Chantilly 60500 Chantilly (7/2迄)
www.domainedechantilly.com/fr/event/heures-italiennes/

【Beauvais】

⚫︎MUDO-Musée de l’Oise: 
1 rue du Musée 60000 Beauvais (9/17迄)
http://mudo.oise.fr/infos-pratiques/

⚫︎Le Quadrilatère:
22 rue Saint-Pierre 60000 Beauvais (9/17迄)
http://culture.beauvais.fr/acteur-culturel/le-quadrilatere

【Compiègne】

⚫︎Musée et Domaine Nationaux du Palais du Compiègne:

Place du Général de Gaulle

60200 Compiègne (8/21迄)

http://palaisdecompiegne.fr/preparez-votre-visite/informations-pratiques