カルチャーへのエネルギーを感じながら ベトナム料理を満喫しよう。

  モンジュ広場から徒歩2分、磨りガラスで外からは店内が見えず、看板も出ていない。紺色の控えめな扉だけが目印の店の名は「寮」を意味するFoyer。この知る人ぞ知る隠れ家的な佇(たたず)まいでありながら、店は昼夜を問わず、いつも賑わっている。
 文化の推進を目的に非営利団体が運営し、売り上げは展覧会やコンサート、人道的イベントなどに充てられ、一部はベトナムの苦学生たちに奨学金として寄付される。諸機関と提携しながら、ベトナム人学生、アーティストを中心に、ネットワークを広げる場として盛んに活動しているのだ。
 それだけでは客足は集まらない。お料理の評判もすこぶる良い。カラフルで明るい店内では、ベトナム人シェフがふるまう、おなじみの料理の数々が客の胃袋を満たしている。定番のメインは8.2€~9.5€という価格帯で、全10種類。日替わりメニューもあって、この日は豚ひき肉と豆腐のベトナム風だった。とてもそそられたが、好物の鶏もも肉のグリル(8.8€)をリピート注文。肉の芯までレモングラスと甘酢でマリネされていて、柔らかさとジューシーさに箸が止まらない。大人気のボブンはもちろんのこと、ふっくら蒸し鶏のショウガ風味も、あっさりとやさしい味わいが魅力だ。
 どれもボリュームがすごくてメインだけで十分なのだけれど、前菜(3.8~4.9€)もとりたい人は、定番のネムや生春巻き、新鮮なエビや牛肉のサラダ、にゅるんとした食感が素敵なベトナム風クレープなどがおすすめ。甘酸っぱいタマリンドスープ(小3.9€)なんていう、よそではあまり見ないオリジナルメニューもあるので試してみてほしい。ご自慢の自家製サトウキビジュースも味わってみたいものだ。
 どの料理もお持ち帰りできるので、テイクアウト客も多い。12時に入った時点で2割ほど席が埋まっていた店内は、その20分後には8割方は埋まっていた。7月末までは、世界各地を旅しつつ道ゆく人を撮影した心温まるポートレートが壁を飾っている。(み)


Foyer Viêtnam

Adresse : 80 rue Monge, 75005 paris
TEL : 01.4535.3254
月~土 12h-14h/19h-22h。日休。