Pintade au cidre
ノエルというと、野鳥のキジ、シャポンという大きく太った去勢鶏、シチメンチョウなどをローストし、クリを付け合わせる一品が食卓を飾る。少人数なら、飼育でもまだどこか野生の風味が残っているホロホロチョウがいい。農家産 〈fermier〉、あるいは 〈Label rouge〉で保証されたもので、4人なら1.4キロくらい、6人なら1.8キロくらいの、あらかじめロースト用にゆわえてあるものがほしい。今回はオーブンがなくてもできるシードル入りの蒸し煮です。
ニンジンは大きめのさいの目に切る。エシャロットは縦に四つに切り分ける。マッシュルームは大きさ次第で二つか四つに切る。ニンニクは皮をむかなくていい。
ホロホロチョウが丸ごと入るココット鍋を用意し、オリーブ油をたっぷりとり、バターを大さじ1杯加え弱火にかける。バターが泡立ったらホロホロチョウを入れる。何度かひっくり返し、まんべんなく焼き色がついたらとり出す。鍋は洗わず、やや火を強くし、即座にニンジン、エシャロット、ニンニク、ローリエの葉を入れ、軽く色がついたらシードルを注ぐ。へらで鍋の底についているうまみを溶け込ませたら、ホロホロチョウをもどす。
コショウをたっぷり振り入れ、塩の華を振りかけ、再沸騰したら弱火にする。ふたをして25分火を通したら、マッシュルームをホロホロチョウの脇に入れ、タイムを入れる。煮汁を鳥の上からかける。煮汁が煮詰まりすぎているようなら水を足す。再びふたをし、鳥の大きさ次第だが、もう25分から35分の辛抱だ。こんなふうに蒸し煮にすると、肉はしっとり柔らかく仕上がる。
ホロホロチョウをとり出し、冷めないようにホイルでおおっておく。煮汁に生クリームと瓶詰めのクリ、パセリのみじん切りを入れ、中火で少々煮詰める。こして野菜と煮汁に分ける。大皿にホロホロチョウをのせ、まわりに野菜を置く。塩とコショウで味を調えた煮汁(ソース)をソース入れなどに入れて添え食卓に。「Joyeux Noël!」と歓声が上がる。ノエルなんだからブルゴーニュの極上赤ワインを抜きたい。(真)
4人分:ホロホロチョウ1.4kg前後一羽、ニンジン1、2本、エシャロット4個、ニンニク10片、クリ250g、マッシュルーム150g、辛口のシードルcidre brut 1本、液状生クリーム200cc、ローリエの葉2枚、きざんだパセリ適量、タイム少々、オリーブ油、バター、塩、コショウ
Pintade
アフリカ原産のホロホロチョウ、フランスでは食用として飼育されている。鶏よりはしまった肉質で、鶏よりちょっと高いだけで野性的な風味を楽しむことができる。クリを詰めてローストしたり、キャベツやベーコンと炒めたり、赤ワインと煮込んだり、といったレシピを紹介してきたが、鶏肉用のレシピがほとんど通用する。胸肉を切り出し、白ワインや生クリーム、好みのハーブといっしょに包み焼きにしてもいい。オレンジやリンゴなどの甘酸っぱさとの相性も抜群。適当な大きさに切り分け、和風に下味をつけ、から揚げにするとうまい。
Pintade farcie aux marrons
まず詰めものを用意。玉ネギ1個とニンニク2片をみじんに切り、弱火でバター炒めし、小さく切ったベーコン100グラムを加えて中火にし、サイの目に切ったリンゴ1個を加える。上のレシピ同様、瓶詰めのクリを200グラム混ぜ入れ塩少々、黒コショウをたっぷりとひき入れる。これをホロホロチョウにきっちりと詰め、塩、コショウ。胸肉を上にしてココット鍋に置き、バター適量をのせ、水をコップ1杯入れ、ふたをし、180度のオーブンへ。1時間たったらとり出し焼き汁をかけ、今度はふたをとってオーブンへ。焼き色がついたら完成!
Marron (Châtaigne)
寒くなると、パリの街角で 「マロン・ショ、マロン・ショ ! 」という呼び声が聞かれ、クリを焼く匂いが流れる。それを買って、温かさともどもポケットに入れ、一つ一つとり出しては味わう楽しさ。この焼きグリ屋さんが減ってしまったのは残念なことだ。この焼きグリの皮をむいて詰めものに使うと香りがよかったのだが…。クリに切れ目を入れてゆでてから皮をむけばいいのだけれど、これが面倒な人は市販のびん詰めの、すでに焼いたり、ゆでたりしてあるものを使うといい。手間がずいぶんと省ける。