時間をかけて作る煮込み料理にも挑戦したい。まずは師匠の言う通りの手順を守って、あわてず、さわがず、ぬかりなく。今夜食べるなら、朝から準備です。
Daube provençale
友だちの家でごちそうになった南仏風牛肉の赤ワイン煮は、かすかにオレンジ風味があってとってもおいしかった。その作り方を教えてもらったので紹介します。牛肉は、適度に脂身が混じっている肩ロース(macreuse、paleron)。
まず肉を漬けるマリナードの準備。オーブン皿に、皮をむいて輪切りにした玉ネギとニンジン、押しつぶしたニンニク、丁字1本、ブーケ・ガルニ、黒コショウ、赤ワインを入れる。そこへ4、5センチの角切りにした肉も加え、よく混ぜ合わせたら、ラップして冷蔵庫に入れ、時々肉をひっくり返しながら、少なくとも半日は漬けておく。
半日たったら、肉を取り出してキッチンペーパーでよくぬぐう。マリナードはこしておく。結わえられて売られている小玉ネギは玉のところだけを切り取り、ベーコンは小さく切り分ける。ココット鍋に油をとって強火にかけ、小玉ネギとベーコンを炒め、焼き色がついてきたら取り出す。今度は肉を入れ、やはりまんべんなく焼き色をつけたら、小麦粉を振りかける。しばらく炒めたらマリナードの赤ワインを注ぎ、水をひたひたになるように入れ、牛肉風味のブイヨンキューブ、ブーケ・ガルニと新たに輪切りにしたニンジンを加え、沸騰してきたら弱火にし、ふたをして2時間煮ていく。
その間に黒オリーブ、アンチョビー、ケッパーをすり鉢の中で押しつぶして混ぜ合わせ、レモンの搾り汁、オリーブ油、マスタード、コニャックを足して混ぜ合わせ、2時間煮た肉に、先の小玉ネギ、ベーコンと一緒に加える。薄く細く切り分けたオレンジの皮少々も入れたらふたをし、もう1時間の辛抱だ。肉が柔らかくなり始めたら、ふたをとって煮汁を煮詰めるようにしながら火を通していく。鍋の底に肉がくっつかないように、木のへらで混ぜ合わせることを忘れてはいけない。最後に塩、コショウで味を調える。付け合わせはゆでたジャガイモが一番だ。ワインはボージョレの赤、モルゴン。(真)
【 材料:4人分 】牛の肩ロース1キロ、小玉ネギ16個、ベーコン150グラム、ニンジン2本、ブーケ・ガルニ、種が抜いてある黒オリーブ一つかみ、アンチョビー3枚、小麦粉大さじ2杯、牛肉風味のブイヨンキューブ1個、ケッパー適量、レモン半個分の搾り汁、オリーブ油大さじ6杯、マスタード大さじ1杯、コニャック適量、オレンジの皮少々、油、塩、コショウ。
マリナード : こくのある赤ワイン1本、玉ネギ2個、ニンジン2本、ニンニク2片、ブーケ・ガルニ、丁字1本、黒コショウ 小さじ1杯。