フランスで開催される日本酒コンクール”Kura Master クラマスター)”2018年度の授賞式が、7月3日(火)、パリ日本文化会館のホールで行われた。Kura Masterは、クリヨン・ホテルのレストランのシェフ・ソムリエを務めるグザヴィエ・チュイザ氏を審査員長を中心に、プラザ・アテネ、リッツ、シャングリラほか有数のレストランのソムリエ、飲食業界の関係者など70人ほどが審査員団を構成する、日本酒品評会。
2回目の今年は、昨年よりも100銘柄多い、650銘柄が参加。出品カテゴリーは昨年と同じ「純米大吟醸酒&純米吟醸」、「純米酒部門」の2部門に加えて、今年はデザートにあう酒ということで「にごり酒」部門が加わり、合計3部門に。
参加した650本のなかから、5月の選考会で12銘柄が選ばれ、さらにそのなかから、プレジデント賞1銘柄、審査員特別賞3銘柄が選ばれた。
《受賞銘柄》
プレジデント賞
大分県 中野酒造「ちえびじん 純米酒」
チュイザ審査員長は、プレジデント賞の銘柄を発表する前に「自分自身とても気に入ったお酒です。数週間後、日本からボトルが届いたら、私のクリヨン・ホテルのレストランでも提供するつもりです。さまざまなフランス食材、料理との調和の可能性があり、ヨーロッパ人が好む酒だと思いました」とコメント。
いっぽう、受賞した中野さんは「明治7年創業で、女将の名前〈智恵〉から「ちえびじん」と名付けられた銘柄です。受賞して、満足してしまうのではなく、今後も人を感動させる日本酒をつくりたいです」と語った。
審査員賞
滋賀県 冨⽥酒造 「七本鎗 純⽶ 渡船」
和歌⼭県 九重雜賀 「⼭⽥錦 純⽶⼤吟醸 雑賀」
⼤分県 ⼋⿅酒造 「⼋⿅ にごり酒」
Kura Masterは、日本酒コンクールのほかにも、フランスの食材や料理と日本酒をどのように合わせるかを提案し、講習会を開いたり、審査員のメンバーに蔵元を訪問させ、日本酒についての知識を深めるなど、多様な活動をしている。フランスの高級レストランや飲食業界の人に日本酒の魅力を知ってもらい、市場を拡大するのが狙いだ。蔵元にとっても、一流フランス料理店のワインリストに自社の日本酒が入るなどのメリットがある。(六)