一般映画館で上映されることが稀な日本のドキュメンタリー作品をフランスで紹介することを目的に、日本映画研究者ディミトリ・イアンニ氏と社会学者ニコラ・ピネ氏ふたりが立ち上げた日本のドキュメンタリー映画祭「日本への窓」。
11月29日には、松原保監督の「被ばく牛と生きる」(2016,104分) を上映(仏語字幕・ナレーション)。上映後は、仏語版を作った「遠くの隣人3.11」の杉田くるみさんと、「よそものネット・フランス」の会員で文筆家の飛幡祐規さんを迎えてのトーク&ディスカッション。
日時 : 11月29日(火)18h30-
会場 : Forum des images (詳細は文章の後に記載)
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「被ばく牛と生きる」
福島原発事故の後、原発から20km圏内「警戒区域」(立入禁止)の住民15万人以上は退去を強いられ、家畜の殺処分が決められた。とはいえ、被ばくした牛でも、肉を食べなければ人間に害はない。被曝を覚悟で居住制限区域で暮らしたり、60キロ離れた仮設住宅から通ったりしながら、牛を殺さずに飼育を続けようとする農家が十数軒現れた。
事故翌年、被ばく牛の体に白い斑点模様が現れるようになり、岩手大学、東北大学、北里大学などの合同研究チームによる調査がスタートした。いっぽう家を追われ職も失った農家の人たちには、避難先での慣れない生活や経済的困難がのしかかってくる。被ばく牛の世話を続けるのが難しくなり、被ばく牛と生きることを断念する農家も出て来るなか、この斑点牛研究への国の協力を要請するべく、逮捕を覚悟で牛を東京・霞が関へ連れて行く人も。
被ばくした牛は「経済価値」を失った。でも、だからといって「命」を奪っていいのか。賠償金と引き換えにすればいいのか。 「経済第一主義のまま走り続ける社会でいいのか?」という監督の問いかけに、深く考えさせられる作品。
★11月29日 18h30の上映会&トークに読者をご招待★
応募ページにお名前をご記入の上、送信してください。
当選された方にはメールでご連絡いたします。
〆切は11月25日 12h00です。
Westfield Forum des Halles
Adresse : 2 rue du cinéma, 75001 Paris , FranceTEL : 01 44 76 63 00
アクセス : Les Halles(ligne4) / Châtelet(1,7,14) / RER線 Châtelet-Les Halles駅(A,B,D線)/ Bus: Coquillières Les Halles (67,74,85)
URL : https://www.forumdesimages.fr/
7,20€ / 5,80€