フランスSlam界スターの自伝的映画、『患者たち』。 2017-03-13 舞台・映画 0 Patients ポエトリー・リーディングのアーティストとして活動しているGrand Corps Maladeによる自伝的小説『Patients / 患者たち』が、同じSeine-Saint-Denis県出身の映画監督、Mehdi Idirとのタッグにより映画化された。 底の [...]
『ダゲレオタイプの女』〜亡き人の想いを封じ込める〜 2017-03-07 舞台・映画 0 Le Secret de la chambre noire 『ダゲレオタイプの女』 枯れた風情のパリ近郊。撮影アシスタントの面接に臨むジャン(タハール・ラヒム)は、謎めく邸宅に吸い込まれてゆく。待ち受けるのは写真家のステファン(オリヴィエ・グルメ)。世界最古の写真撮影法「ダゲレオ [...]
超難関・フランス名門映画学校の入学試験を追う。 2017-02-19 舞台・映画 0 『Le Concours』 卒業すれば、ほぼ全員が映画業界で職を得られる名門FEMIS。昨年は1048人が受験し、合格者67人、倍率は15倍超。監督コースに限ればさらに倍率は高い。本作はそんな国立映画学校の入学試験を追ったドキュメンタリー。 会場は大講堂。すし詰め状態で隣と肘がぶ [...]
『 Moonlight』 2017-02-05 舞台・映画 0 映画界は賞レースの季節。米映画アカデミー賞(オスカー)8部門にノミネートされているバリー・ジェンキンス監督の『Moonlight』は、アカデミー前哨戦と言われる(ハリウッド外国人映画記者協会が選ぶ)ゴールデングローブ賞のドラマ部門作品賞を受賞している。 がんがん鳴り響く音楽、ぐる [...]
もう誰も「セレブの余興」とは思わない 2017-01-18 舞台・映画 0 『Nocturnal Animals』 あの、トム・フォード?そう、あの、トム・フォード。ファッション業界に疎くとも、誰もがどこかで耳にしたことのある名前だろう。2009年に現役デザイナーながら監督業に乗り出し、『シングルマン』で高評価を得た。7年ぶりの新作『NocturnalA [...]
『淵に立つ』(仏題 HARMONIUM) 深田晃司監督インタビュー 2017-01-09 舞台・映画 0インタビュー 孤独は関係性の先にある。 町工場を営む夫婦の利雄(古館寛治)と章江(筒井真理子)、小学生の娘が暮らす平凡な一家。そこに利雄の知り合いで、刑期を終え出所したばかりのワケあり男・八坂(浅野忠信)が、彼らの生活に入り込む。闖入者の登場は、平穏に見えた家族に残酷な傷跡を残す。 身近な家族 [...]
『 Paterson』たゆたう時間のなかのポエジー。 2016-12-19 舞台・映画 0 朝陽の差し込むベッドで抱き合って寝ている男と女。目覚まし時計で時間を確かめ起き上がる男。その彼の朝のしきたりを追う。そこに男の声がオフで被って、いま擦ったマッチが世界最高のマッチであるという話が入る。男の名前はパターソン、ニュージャージー州の小都市、パターソンのバス・ドライバーだ [...]
鑑賞者の想像を超えてくる『 L’Ornithologue 鳥類学者』 2016-12-06 舞台・映画 0 ピュアな驚きに満ちた傑作。「予備知識ゼロ」で出会ってほしいが、全くイメージが沸かない作品は鑑賞の選択肢にも入らないと思うので、やはりここで紹介したい。 渓谷を走る深緑の大河。フェルナンド(ポール・アミー)は、黒いコウノトリを観察する鳥類学者だ。鳥を双眼鏡で追ううち、急流にカヌーご [...]
『Tour de France』 2016-11-17 舞台・映画 0 『Tour de France / ツール・ド・フランス』といっても自転車ロードレースの映画ではありません。フランスを一周しないまでも大西洋岸から地中海岸まで港町を旅するロード・ムーヴィー、かと言って、のどかなだけの映画でもありません。 人気ラッパー、ファウークは地元の仲間 [...]
闘う巨匠のブレない社会派ぶり 2016-11-04 舞台・映画 0 『 Moi, Daniel Blake 』 ダニエルは、やもめ暮らしの木工職人。心臓病でドクターストップがかかり、福祉当局に足を運んだ。「50メートル歩けますか?」「ポケットに物を入れられますか?」。杓子定規の質問に答えるが、結局は障害者とも失業者とも認定されない。これが善良な [...]