Andouillette au vin blanc
アンドゥイエットは臓物の腸詰めで、その中身は、豚の胃や腸、子牛の腸間膜と産地によっていろいろと変わる。グリルやオーブンで焼いたり、フライパンでソテーしたりして味わいます。今回のレシピは、ボクらがよく飲みに行くワインバーの得意料理で、白ワイン、マスタード風味。先日も、日本から遊びに来ていた友人を連れていったら「くさい! おいしい!」と目を丸くした絶品です。
まずアンドゥイエットを人数分買ってくる。細いナイフの先でちょんちょんと皮をつついておく。フライパンを中弱火にかけて、バターと油を半々にとり、バターが溶けたらアンドゥイエットを入れて、10分ほど炒めていく。転がすようにし、まんべんなく焼き色がつくようにしたい。強火にかけると、皮が破れてうま味が逃げるので気をつけよう。
きれいに焼けたら、アンドゥイエットを取り出す。フライパンに残っている余分なバターと油は捨てるけれど、洗ってはいけません。フライパンを弱火にかけ、4人分として、みじんに切っておいたエシャロット3、4個を加え、色がついてきたら、白ワイン250ccを注ぐ。ここで強火にし、フライパンの底についているうま味を溶けこませながら、数分沸騰させる。再び弱火に落とし、アンドゥイエットを戻す。フタをして10分も火を通したら、アンドゥイエットだけを取り出し、熱くしておいた皿に盛り付ける。
次はソースの準備。フライパンに生クリーム大さじ3杯、マスタード大さじ1杯を加えてよく混ぜ合わせ、少々火を通し、ソースがとろりとしてきたらでき上がりだ。このソースをアンドウイエットにたっぷりかけて食卓へ。付け合わせは丸ごとゆでたジャガイモがいちばんだ。
アンドゥイエットには、シャブリなどの白が合うといわれているが、出たばかりのボージョレ・ヌーヴォーにするのも悪くないなあ。(真)
私の好きな店|ILODELIS
グルメな女性2人が、フランス国内のあまり知られていない特産物、生産者を紹介しようと出したお店。砂糖を一切使用せず、果物の甘味だけで作ったカシスやプラムのジャム(4.10€)は、ヨーグルトに良く合うし、程よい苦味のあるクルジェットスープ(7.80€)は100%オーガニック。数量限定で出荷されるバナナとラベンダーのシロップ煮(7.50€)は、香り高いデザートになる。「自分たちの足で歩いて見つけた本当に良いものだけを置いている。これからも新しいものをどんどん発掘し、パリジャンにフランスの特産物の豊かさを知ってもらいたい」とブリジットさんとマリアンヌさん。(淑)
●アンドゥイエット andouillettes
豚の胃や腸、子牛の胃や腸間膜を、ダシやミルクでじっくりと煮込んだ後、豚の腸に詰めたものがアンドゥイエット。くさやを思わせる匂いはかなり強烈だが、一度食べると病みつきになるおいしさだ。焼いたりソテーしたりしてから、フライドポテトやマッシュポテトを添えて味わう。 煮こごりがまわりについているときは、とりのぞいてから焼くこと。煮こごりはソースに加えましょう。
AAAAA(Association Amicale des Amateurs d’Authentiques Andouillettesの略 。サンク・アーと発音)ラベルのアンドゥイエットが、ワインバーやビストロなどのメニューに載っていると、フランス人の目が輝いてしまう。とにかく白でも赤でも、ワインの素晴らしい肴です。
こっそり教えるけれど、ボクらが行きつけのワインバーでは、パリおよびパリ近郊では一番とされる〈Duval〉*のAAAAAアンドゥイエットを使っている。
*Charcuteries Duval : 55 rue Marcelin Berthelot 93700 Drancy Tél : 01.4832.0317
●アンドゥイエットのグラタン
アンドゥイエット3、4本を1センチの厚さに輪切りにする。タマネギ500グラムは薄いせん切りにし、弱火で透明になるまでバター炒めしてから、塩、コショウ、タイムを振りかける。
オーブンの目盛りを7(200度)に合わせ、点火する。
オーブン皿にタマネギを敷き、生クリーム半カップを混ぜ入れ、輪切りにしたアンドゥイエットをきれいに並べる。全体を覆うように、その上からたっぷりとおろしチーズをかけ、白ワイン半カップを振りかけ熱くなっているオーブンへ。チーズはコンテとエマンタールを半々にしてもいいし、山羊のチーズを使えば面白い味になる。
20~30分で表面にきれいな焼き色がついたらでき上がり。マスタードを忘れずに添えましょう。タマネギのかわりに色よくゆで上げたホウレン草にしてもおいしくできる。